2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

大奥恋絵巻ー24

それから数日たっても、家治はお妙以外の女子を所望する事はおろか、大奥に渡りさえしなかった。 毎夜の如く大奥に渡っては、お妙を所望していた家治が大奥に渡らない現実に、お妙以上に、周囲がざわめきだした。 お妙が不興を買ったに違いない…ならばなぜ他…

大奥恋絵巻ー23

お妙の心が手に入らない…その苛立ちに、家治は、その夜、何度も何度も求めては、お妙に心をくれと囁き続け、表から迎えが来るまでお妙を解放しなかった。 その様子は、瑤子をはじめとする大奥の女たちの耳にも入り、お妙が家治の不興を買ったのではないかと…

大奥恋絵巻ー22

「お妙…わしに…そなたの心をくれ…」 いつもと違う家治の様子に怯えるように、家治を見るお妙に、家治は、お妙の心を自分にくれと哀願する。 「もう…例え…あの者がそなたを受け入れると言っても…わしは…そなたを手放さぬ…」 組み敷かれて怯えるお妙に、家治は…

大奥恋絵巻ー21

その夜…家治は、蔵之介に告げた通りに、お妙を寝所に所望した。 「上様…?」 いつもとどこか違う家治の様子に、お妙は、家治にどうかしたのかと問いかける。 「佐久間蔵之介を知っておるな…?」 「えっ…?」 重い口を開くように、蔵之介の名を切り出してきた…

大奥恋絵巻ー20

「そうか…あの娘の許婚とは…そなたであったか…」 敵意も感じる眼差しで見つめられた家治は、さらに憎悪を引き出すかのように、お妙の許婚とは蔵之介だったのかと笑いかける。 「あの娘はよい…身のこなしもよければ…鳴き声は特によい…」 蔵之介の表情が憎悪に…

大奥恋絵巻ー19

大奥だけでなく、将軍が政を行う表でも変化があった。 「そなたが…佐久間家の新しい当主か…」 家治は、自分の目の前にいる家督を継いだばかりだという聡明な青年に、ありきたりな言葉を投げ掛ける。 「佐久間蔵之介と申します…上様に置かれましては…」 「堅…

大奥恋絵巻ー18

「お妙…昨夜も…上さんに…大層可愛がられたそうだね…」 お妙が家治に明け方近くまで解放してもらえなかった事を聞きつけた瑤子は、昨夜の疲れがまだ残っているお妙を自分の前に呼び出すと、我が事のように、お妙に声を掛ける。 「上様のご不興を買わずに済ん…

大奥恋絵巻ー17

「そなたは…いつも新鮮な反応をするから…飽きないのだ…」 抱く度ごとに新鮮な反応を示し、艶を増した声で啼くお妙に、家治は、いくら抱いても飽きがこないのだと囁き、自分が開発したお妙の性感帯を責め、甘い嬌声を上げるお妙の姿に、満足げな笑みを浮かべ…

大奥恋絵巻ー16

その夜も、家治の寝所に呼ばれたのは、お妙だった。 「お妙…今宵も…震えておるな…どうしてだ…?」 毎夜のように抱き寄せても、初めてのように震えるお妙に、家治は、どうしてそんなに震えるのかと訊ねる。 「私は…怖いのです…」 「何が…怖いというのだ…?」 …

大奥恋絵巻ー15

「お妙…よく来てくれました…」 「御台様…」 お妙が家治に気に入られて以来、お菊の方への牽制ができている事に満足しているような笑みを浮かべる瑤子に、お妙は恐れを感じながらも、礼に従って深く傅く。 「上さんは…そなたを…毎晩のように所望しては…明け方…

大奥恋絵巻ー14

「なんなのですか?あの態度」 お美津は、お菊の方のお妙を値踏みし、脅しを掛ける態度に憤慨する。 「お菊の方様を責めてはいけません…」 お菊の方の自分への態度に憤慨するお美津に、お妙は、お菊の方を責めてはいけないと声を掛ける。 「ですが…いま…上様…

大奥恋絵巻ー13

その後、毎夜のように家治はお妙を所望し、夜明け近くまでお妙を貪り続けた。 家治のお妙への執心ぶりに、大奥中がざわめきを隠せなかった。 お妙が家治の種を宿すのは時間の問題だと、大奥にひしめく女たちはみなそう思わずにはいられなかった。 ある日、お…

大奥恋絵巻ー12

「上…様…」 「益々…可愛い奴だ…」 お妙の身体が自分を受け入れる準備をし始めている事に、家治は嬉しいと思いながら、昨夜同様、お妙の未発達な肉芽と花弁を刺激しながら、お妙の蜜を啜り続ける。 「あっ…うっ…んっ…はっ…んっ…」 「昨日より…よい声だ…」 心…

大奥恋絵巻ー11

その夜…家治は、瑤子が目論んだ通りに、お妙を所望する。 「お妙…どうして…昨日より震えている…?」 お妙を抱き寄せた家治は、お妙の震えぶりに、どうして昨夜よりも震えているのかと問いかける。 「上様…私…お暇を…」 家治に抱き寄せられたお妙は、もう大奥…

大奥恋絵巻ー10

「お妙…よくやってくれました…上さんの覚えめでたかったと聞いている…」 昨夜の疲れがようやく取れたお妙を自分の前に召し出した瑤子は、お妙に昨夜の家治の様子は聞き及んでいる、よくやったと嬉しそうに声を掛ける。 「御台様…私…」 家治に一晩中抱かれた…

大奥恋絵巻ー9

「あ、や、んっ、こわれっ、る…」 初めて知る圧迫感と甘い疼きに、お妙は身体を仰け反らせ、迫りくる快感に耐え続ける。 「好い…好いぞ…」 お妙が小さく達する度に、お妙の中は、家治に達しそうなほどの好さを与え、その度に、家治は堪えながら、お妙を貪り…

大奥恋絵巻ー8

「これしきで驚いておったら…わしを受け入れられぬぞ…」 初めての感覚に驚くお妙に、家治は、これくらいの事で驚いていたら自分を受け入れられないと囁きかけながら、蜜を溢れさせる蜜穴を指で刺激し続ける。 「あっ…ふっ…はっ…んっ…」 痛みを感じていた指も…

大奥恋絵巻ー7

幾人もの女性を知り尽くした家治の巧みな愛撫に、初めて感じさせられる娘が陥落するのは時間の問題であった。 「あ…あぁっ…やっ…んっ…」 全身を薄紅色に染め、迫りくる快楽に耐える娘の姿はなんと妖艶で美しいことか…その姿に家治の欲情は高まるばかりだった…

大奥恋絵巻ー6

「可愛いな…御台が薦めるのも納得がいった…」 家治は、布団に横たわらされたお妙の顔をまじまじと見ながら、瑤子が薦めてきたのにも納得がいくくらいに、お妙は可愛い顔をしていると囁く。 「上様…私には…」 「許婚など…わしの前では些細な事…」 自分にはれ…

大奥恋絵巻ー5

その夜…お妙は、身を清められ、お美津の導くままに、家治を迎える寝所へと向かう。 「いいですね…?上様のお心のままに…お任せするのですよ…」 寝所に向かいながら、お美津は、お妙に、家治の望むままに身を任せるようにと諭し、くれぐれも自分に許婚がいる…

大奥恋絵巻-4

家治が御台所付きの娘を所望した…その話は瞬く間に大奥内を駆け巡り、お菊の方の耳にも届いた。 「あの…公家さん…自分の代わりに寵愛を得られるかもしれない娘を…探していたのね…」 将軍の世継ぎを生み、権勢を欲しいままにしていたお菊の方は、瑤子の思わぬ…

大奥恋絵巻ー3

運命は、お妙のささやかな幸せを打ち砕こうとしていた。 大奥勤めにお妙が慣れ始めたある日、瑤子に呼ばれて瑤子の部屋に入ると、一人の聡明な武士が瑤子と共に座っていた。 それが時の将軍だとわかったお妙は、深々と頭を下げる。 「上さん…この娘はお妙と…

大奥恋絵巻ー2

瑤子のそんな野望などに気付く間もないお妙は、この大奥で行儀見習いを終えた後に控える佐久間蔵之介との婚儀に胸を馳せていた。 「(この大奥での…行儀見習いを終えたら…蔵之介様と…)」 佐久間蔵之介とはお妙が幼き頃から兄のように慕い続けた若き武士で、…

大奥恋絵巻ー1

いつの将軍の時代か忘れたが…ここは…華の大奥…今日ここに行儀見習いを兼ねて大奥勤めに上がった娘がいる。 名はお妙…先に大奥に上がっていた遠縁のお美津を頼って行儀見習いを兼ねて、大奥勤めに上がったのだ。 大奥といえば、一人の将軍に三千人近い女子が…

やっぱりネタ切れ

まだまだネタ切れです。 いい文章が思い浮かばない。 そこで、もう一度過去作品をUPしておこうかなと思うのですが、どうでしょうか? とりあえずの対策です。 もう読んだからいいよって声もわかるのですが、放置もよくないので、過去作品をUPしておきます。 …

花灯篭・月光花・雪月花あとがき

花灯篭・月光花・雪月花いかがでしたか? わたるとかなみの愛の3部作となったわけでございますが、いかがだったでしょうか? 以前、雪月花をUPした時に、12話をUPするのを忘れてしまっていて、それが気がかりというか、痛恨のミスが引っかかっていて、もし…

雪月花ー23

「イッたみたいですね…嬉しいです…」 小さな絶頂に達し、胸で息をするかなみに、わたるは、自分の拙い愛撫で達してくれて嬉しいと囁きかけ、かなみに深く口付ける。 「わたるさんが…欲しい…です…」 小さな絶頂の余韻を身体に残しながら、かなみは、自分を見…

雪月花ー22

「かなみさん…」 着ていた着物を脱ぎ、脱いだ着物で胸を隠すかなみに近寄ったわたるは、かなみに深く口付けると、かなみが胸を隠していた着物を取り払い、一糸纏わぬ姿となったかなみの身体を布団の上に横たわらせ、再び深く口付け、かなみの白く澄んだ肌に…

雪月花ー21

「私も…最初に知っておいてもらいたいのは…わたるさんが大好きでたまらないことです…」 「はい…覚えておきます…」 最初に知っておいてもらいたいのはわたるが大好きでたまらないことだと呟いたかなみに、わたるは、嬉しそうに頷き、ちゃんと覚えておくと呟く…

雪月花ー20

「この家は…亡くなった両親が残してくれた家です…」 わたるの問いに、かなみは、この家は、数年前に相次いで亡くなった両親が残してくれた家だと答える。 「かなみさん…あなたは…一体…」 かなみの答えに、わたるは、こんな大きな家を残してもらえるくらいの…