2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

月光花ー24

「じゃあ…許してあげます…かなみさん…いきますよ…」 わたるは、かなみに、許してあげると呟いた後、かなみの腰を引き寄せると、自分の分身を、かなみに秘部に差し込み、かなみを突き上げる。 「あっ…んっ…はっ…あっ…んっ」 わたるに、焦らしに焦らされていた…

月光花ー23

「あっ…んっ…やっ…んっ…はっ…んっ…」 かなみは、人差し指を噛み、首を横に振り、わたるが与えてくる刺激に耐える。しかし、どんなに指を噛んでも、甘い吐息が口から漏れてしまう。 「もう…許して…わたるさん…」 「だめです…まだ許してあげません…かなみさん…

月光花ー22

「離してください…」 「今日から逃がさないって…言ったじゃないですか…」 かなみを家の中へと運んできたわたるは、自分の腕の中で、事態が飲み込めず、ジタバタと暴れるかなみに、今日からは逃さないと言ったはずだと笑いかけ、かなみを組み伏せる。 「今か…

月光花ー21

翌日… かなみは、家の裏手の金木犀のそばに佇んでいた。前にわたるが月の闇に紛れて逢いに来てくれた事を思いだしながら。 「(わたるさん…私は…あなたを責められません…待たせてばかりだったから…)」 金木犀を見つめながら、かなみは、月の闇に紛れてしか…

月光花ー20

「他人の家の前で痴話げんかはやめてください」 「かなみさん…」 わたるがゆかりに詰め寄っていると、かなみが家から出てきて、痴話げんかはやめろと告げ、かなみを見たわたるは、ただその場に立ち尽くす。 「皆川さん…もう…ここにはおいでにならないでくだ…

月光花ー19

「(わたるさん…)」 ゆかりが帰った後、かなみは、その場に崩れ落ちる。わたるが自分以外の女性を抱いた。 その事実に、胸に熱く焼かれた何かを押し付けられているような感覚に陥る。 耳から離れないゆかりのわたるが自分を抱いたという言葉…かなみは、耳を…

月光花ー18

「あ、あなたは…」 自分の家の門の前に佇んでいた人物を見てかなみは驚く。それは、ゆかりだった。 「確か…青山さん…でしたね…」 「はい…そうです…実は…お話が…」 かなみに名前を訊ねられたゆかりは、そうだと答えた後、大切な話があると、かなみに切り出す…

月光花ー17

「うっ…頭…痛い…」 翌朝、激しい頭痛と共にわたるは、目を覚ます。 隣にはなぜかゆかりがいる。しかも、裸のゆかりがいた。わたるに昨夜の記憶はない。 「(もしかして…俺…青山を…)」 裸で自分の隣に眠るゆかりを見ながら、わたるは、昨夜起きた事を整理す…

月光花ー16

数日後…この日、わたるは、どうしても顔を出しておかなければならない飲み会の場にいた。 もしかしたら、今日、かなみが逢ってくれるのではないかと思うと、飲み会どころではないのだが、この飲み会の主役はわたると言っても過言ではない飲み会だった。 「わ…

月光花ー15

「かなみさん…僕は…優しくなんかありません…あなたしか見えないあまりに…他の人を傷つけている…そして…あなたも…」 わたるは優しすぎるというかなみの呟きに、わたるは、かなみを抱き締めながら、自分は、かなみしか見えないあまりに、他の人間を傷つけてい…

月光花ー14

「わたるさん…」 かなみは、わたるに抱き付くと、わたるに、自分から口付ける。 「かなみさん?」 かなみからいきなり口付けられたわたるは、驚いたように、かなみを見る。 「本当の事…言ってください…」 「本当の事って…何ですか…?」 本当の事を言ってほし…

月光花ー13

「かなみさん」 かなみの家の庭に梅の花を飾ってある事を確かめたわたるは、勢いよくかなみの家の玄関を開ける。 「どうぞ…あがってください…」 「はい…」 玄関の上り口までわたるを出迎えたかなみは、わたるに、家の中にあがるよう促し、促されたわたるは、…

月光花ー12

「あの…無理は承知で言ってるのは…わかるのですが…」 ゆかりは、かなみに、最優先しなければならないのは、西田であり、わたるではない事をわかっているけれど、雨の日も風の日も、かなみの家に通い、庭先に花がないか確かめているわたるを見ていられないの…

月光花ー11

数日後の昼下がり…この日は、日曜日で西田の来訪はない。 西田の来訪がないという事は、かなみが庭先に花を咲かせる日である。 かなみは、壺に活けた梅の花を庭先に運んでいた。 「あの…こんにちは…」 「はい…あ、あなたは…」 庭先に梅の花を運んできたその…

月光花ー10

「かなみさん…」 「はい…」 乱れた後に訪れる静かな時間…かなみは、乱れた髪を直しながら、わたるの声に応える。 「抱いてくれて…ありがとうございました…僕…嬉しいです…」 乱れた余韻を身体に残しながら、わたるは、かなみを抱き寄せると、自分を抱いてくれ…

月光花ー9

「今夜は…僕を…抱いてください…かなみさん…僕を…憐れんでください…」 かなみにきつく抱き付いたわたるは、かなみに向かい、今夜は自分の事を抱いて欲しいと呟く。 「わたるさん…」 わたるの切実な想いに、かなみは、わたるを横たわらせると、わたるのシャツ…

月光花ー8

「気に障ってはいません…ただ…あなたが…私に…触れたくないのかなと思って…」 気に障ったのなら謝るというわたるの呟きに、かなみは、気に障ってはいないが、わたるが自分に触れるのが嫌なのかと思っただけだと呟く。 「そんな事…思った事ありません…僕は…社…

月光花ー7

それから…数時間後… 「わたるさん…」 「こっちです…かなみさん…」 金木犀の木のそばに来たかなみは、わたるに声を掛け、金木犀の木から離れていたわたるは、金木犀の木のそばにいるかなみに駆け寄る。 「あれほど…危険な事はしないでって…お願いしたではあり…

月光花ー6

数日後の夜…この日もわたるは、花がなかったことを確かめたのにも関わらず、かなみの家の裏手にある金木犀の木のそばで佇んでいた。 「(かなみさん…やっぱり…来てしまいました…)」 金木犀の木のそばで佇みながら、わたるは、一目でいいからかなみに逢いた…

月光花ー5

宵闇に包まれた部屋の中で、わたるは、かなみを抱き寄せる。 かなみもまた、着物の裾が乱れている事を気にすることなく、わたるの腕の中に納まる。 「さっき…危険な事はしないで欲しいと言いましたが…本当は…嬉しかったのです…危険を冒してまで…逢いに来てく…

月光花ー4

翌日…わたるは、もうすでに日課となっているかなみの家の庭先に花があるかどうかを確かめにやって来ていた。 「(昨日の今日だけど…今日は…逢えるかな…?)」 昨日、逢いたい想いを抑えきれず、月の闇に紛れて逢いに行ったが、今日、逢えたらいいなとわたる…

月光花ー3

「わたる…もしかして…今日は…」 「いやっ…花がない日だから…」 今日は、かなみの家で過ごしていたのかとゆかりに訊ねられたわたるは、今日は庭に花が咲いてない日だから逢えない日だと答える。 「うそ…わたる…逢いに行ったのでしょ…?服にファンデーション……

月光花ー2

「かなみ。どこにいるのだ?かなみ」 わたるとかなみの口付けが深いものとなっていたその時、遠くからかなみの籠の持ち主である西田の声がした。 「西田が戻ってきました。早くここから」 西田のかなみを探す声に気付いたかなみは、わたるから身体を離すと、…

月光花ー1

月明かりの美しい夜に、金木犀の木のそばに佇む人影… 「(かなみさん…)」 この日、皆川わたるは、想い人の綾瀬かなみに逢いたい想いを堪え切れず、かなみの家に籠の主が来ているとわかっていながら、かなみの家に来ていた。 表に立っていたら、籠の主に見つ…

花灯篭ー30

「年越したら…初詣も行きましょうね…」 「えぇ…行きましょう…」 年末年始をかなみと過ごせると知ったわたるは、できる事は全部やっておきたいとばかりに、かなみにお願いする。 かなみもまた、それを嬉しそうに受け入れる。 「来年も…たくさん一緒にいられる…

花灯篭ー29

「じゃあね。わたる」 「あぁ」 葉牡丹を見て帰っていくゆかりを見送ったわたるは、呼び鈴を鳴らしてからかなみが出てくるまでの間、葉っぱにしか見えない葉牡丹を眺める。 「花とは言いづらいですが…お正月くらいまで飾るものなのですよ…」 「かなみさん…」…

花灯篭ー28

季節は秋…かなみの家の裏手から金木犀の香りが漂う季節となった… 「(本当に…大丈夫かな…?)」 金木犀の香りはすれど、庭先には金木犀がないため、本当に入ってもいいのか、わたるは迷っていた。 しかし、金木犀が咲いたらいつでも逢えるとかなみは言ってい…

花灯篭ー27

「かなみさん…」 「はい…」 熱く乱れた後にやってくる静かな時間…かなみは乱れた髪を直すことなく、わたるに寄り添う。 短すぎる夏の夜だが、わたるとかなみは、互いの身体を寄せ合い、指を絡め合う。 「また…籠の鳥…なんですね…かなみさんは…」 「ごめんな…

花灯篭ー26

「かなみ…さん…」 「はい…」 「あの…」 「何でも言ってください…」 かなみを抱き締めたい衝動を堪えるかのように、かなみを見つめるわたるに、かなみは、ここでは何でも自由に言っても構わないと笑いかける。 「かなみさん…聞き飽きているかも…しれませんが……

花灯篭ー25

「かなみさん…」 「花菖蒲を飾れなくて…そういえば…ここがあったと…思い出して…」 一面に広がる花菖蒲畑に、感嘆していたわたるに、かなみは、家に花菖蒲を飾れなくて、そういえば、この旅館も裏手が花菖蒲畑だったことを思い出して、ここにわたるを連れてき…