2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

純白の恋人ー17

夜が明け、あやかは、仕事を休めばいいのにという紫苑に、自分は気楽に休めないのだと言い残し、会社に出社する。 昨夜、パーティー用のドレスで紫苑と夜を過ごしてしまったから、紫苑が用意した着替えに着替えるのに時間がかかってしまって、会社には遅刻し…

純白の恋人ー16

熱く乱れた後にやってきた戸惑いの時間…あやかは、初めての経験なのに乱れてしまった事に戸惑うように、紫苑に背を向けて横たわる。 「あやかさん…どうして…僕を…見てくれないのですか…?」 自分に背を向けて横たわる続けるあやかに、紫苑は、どうして自分を…

純白の恋人ー15

「大丈夫かい…?」 「はい…」 小さな絶頂に達し、胸で息をするあやかに、紫苑は大丈夫かと声を掛け、あやかは、小さく頷く。その頷きを見た紫苑は、あやかに、深く口付ける。 「あやかさん…いまからが…本当の仕上げです…いいですね…?最初は辛いかもしれませ…

純白の恋人-14

「大丈夫…怖いことは何もないから…僕に任せて…」 まだ見ぬ世界に身体を震わせるあやかに、紫苑は、大丈夫だからと声を掛け、あやかの身体に唇を這わせていく。 あやかの程よい大きさの乳房の上にある乳首を口に含み、舌で転がすように愛撫しながら、もう一方…

純白の恋人ー13

「ここまで…していただく義理なんて…私にはありません…」 「いいんだよ…僕が祝いたいんだ…君の特別な夜を…」 確かに純潔を捧げる事になりそうな雰囲気だったけど、ここまでしてもらう程の事ではないと呟くあやかに、紫苑は、自分があやかの特別な夜を祝いた…

純白の恋人-12

それから…しばらくして…紫苑が頼んだルームサービスの品々が届いた。 「あやかさん…こちらへ…」 ベッドに座っていたあやかをエスコートするように立ち上がらせた紫苑は、あやかをテーブルまで連れて行く。 「これは…どういうことですか…?」 テーブルに並ん…

純白の恋人ー11

「あやかさん…」 紫苑は、あやかを自分の方に向き直らせると、あやかの唇に、触れるように、自分の唇を重ねる。その口付けをあやかは受け入れ、口付けは深いものとなっていく。 「もう…帰さないよ…君に…僕の気持ちを知ってもらうまで…」 唇を離した後、紫苑…

純白の恋人ー10

そのホテルの最高級のスイートルーム…そんな部屋に連れてこられたあやかは、まず、部屋に驚く。スイートルームなんて縁がないと思っていたから、部屋の豪華さに驚くばかりだった。 「どうしたの?」 部屋の豪華さに、あやかが驚いていると、紫苑がどうかした…

純白の恋人ー9

「紫苑さん…遊びは…ここまでです…」 「遊びなんかで…女性とキスなんかしないよ…僕は…」 紫苑の気まぐれに付き合えるのはここまでだと呟いたあやかに、紫苑は、遊びなんかで女性とキスなどしないと答え、再びあやかに口付ける。 「やめてください…こんなとこ…

純白の恋人ー8

やがて、パーティーはお開きとなり、紫苑とあやかも家路に着く。 「疲れてないかい?」 「はい…大丈夫です…」 慣れないパーティーで疲れていないかと声を掛けてきた紫苑に、あやかは、疲れてはいない、大丈夫だと答える。 「気付いたかい…?君を見る参加者た…

純白の恋人-7

「あやか。あやかじゃないの」 「みはる…」 パーティーも佳境に入ったころ、紫苑があやかから離れた瞬間、このパーティーに参加すると言っていたみはるが声を掛けてきて、みはるの誘いを断ったあやかは、気まずそうにみはるを見る。 「私の誘いを断って、紫…

純白の恋人ー6

「さぁ、どうぞ、あやかさん」 「ありがとうございます…」 パーティー会場に到着し、リムジンを降りた紫苑に手を差し出されたあやかは、ありがとうと呟いた後、紫苑が差し出した手を取る。 「大丈夫…僕に任せて…君は普通にしていればいいから…」 慣れないド…

純白の恋人ー5

「じゃあ、今度の日曜日の夜、迎えに来るからね」 「はい…」 今度の日曜日の夜に迎えに来ると言い残し、帰っていく紫苑を見送ったあやかは、自分はとんでもない相手に目を付けられたものだと思っていた。断るに断れなくなった事態に、あやかは戸惑うしかなか…

純白の恋人ー4

「着いた。さぁ、行こうか?」 紫苑とあやかが乗ったリムジンは、とある店の前に止まり、紫苑はあやかに着いたから行こうかと声を掛け、あやかの手を取って店の中へと入っていく。 店の中はさすが紫苑が知っているだけの店だけあって、どれも素晴らしいドレ…

純白の恋人ー3

紫苑と出会ったパーティーから数日後…あやかはいつも通りの生活をしていた。朝起きて、満員電車に揺られて、会社に通い、会社での業務をこなす。しかし、その日の夕方は少し違っていた。 「やぁ…白岡あやかさん」 「あ…あなたは…」 目の前に止まったリムジン…

純白の恋人ー2

「あやか。すごい。紫苑様と仲良くなれて」 パーティーの帰り道、あやかをパーティーに連れてきた森村みはるは、あやかに、あの紫苑と仲良くなれてすごいと声を掛ける。 みはるは、御影財閥ほどの家柄ではないが、れっきとした森村財閥の令嬢で、あやかとは…

純白の恋人ー1

白岡あやかは、とあるパーティーに参加していた。そのパーティーのゲストの一人に目を奪われた。 「(御影紫苑さん…素敵な方だけど…)」 あやかは、紫苑に心を奪われはしたが、自分とは別世界の人間だから交わる事はないだろうと思っていた。なぜなら、紫苑…

続きまして

続きまして、過去作品『純白の恋人』をUPしたいと思います。 これは、初めて書いた長編作品です。 結構長いです。 グダグダともいいますが、長いです。 私は結構この作品の主人公を気に入ってます。 みなさんにも気に入ってもらえたら幸いです。 では、『…

大奥恋絵巻ー36

家治とお妙の想いが通じ合ったその頃、大奥ではまだ熾烈な権勢争いが繰り広げられていた。 「お菊…お妙は必ず上様のお子を身籠る…」 「わかりませんわ…寝所を遠ざけられるのが先かもしれませんよ…」 言い争ってはいるが、話題は権勢をどちらが我が物にするか…

大奥恋絵巻ー35

白襦袢を肌蹴させれば、慎ましく膨らんだ乳房が現れ、その慎ましい膨らみの先にある蕾を口に含むと、お妙の甘い声が耳に届く。 「あっ…上…様…はぁ…んっ…」 「よい声だ…そなたの声は…実に…心地いい…」 知り尽くした感じる場所を刺激すれば、心地の良い甘い声…

大奥恋絵巻ー34

表での政が残っているという家治の言葉に従い、庭の散策は終わったが、お妙が大奥へと帰る際に、家治は、お妙に囁いた。 今宵もそなたを所望すると。 その日の夜…順序を踏まえたお妙を寝所に所望する手続きを終えて、お妙が寝所で家治を待っていると、家治が…

大奥恋絵巻ー33

「お妙…それは…もしかして…」 「これ以上は教えて差し上げません…」 もしかして、それは自分だと思っていいのかと呟く家治に、お妙は、もうこれ以上は教えてやらないと笑いかける。 「きちんと言ってくれ…でなければ…自惚れてしまう…」 お妙からの思わぬ言葉…

大奥恋絵巻ー32

「お前たち…何も言わなくてもいいのか…?」 ただ見つめ合っただけで全てを悟るお妙と蔵之介に、家治は、どこか嫉妬をめいたものを感じながら、お妙と蔵之介に声を掛ける。 「佐久間様…私は…上様と大事な話があります…」 「わかりました…私はこれにて失礼させ…

大奥恋絵巻ー31

「お妙…城の庭を散策しよう…」 ある日、お妙は、家治から城の庭を散策しないかと切り出される。 大奥に上がって以来、外に出る事が少なかったので、お妙は喜んでそれを受け入れる。 「素晴らしい景色です…」 「よかった…ここのところお妙がふさぎ込んでいた…

大奥恋絵巻ー30

「お妙…最近…顔色悪いな…」 寝所で自分に抱き寄せられながら、どこか青い顔をしているお妙に、家治はどこか体調でも悪いのかと問いかける。 「何でもありません…いらぬ気遣いさせてしまって申し訳ございません…」 家治の問いに、お妙は首を横振ると、家治に…

大奥恋絵巻ー29

お菊が反撃に出た…自分の親類縁者の娘をかき集めて、お妙が月経で家治の相手ができない事をいいことに、家治の覚えめでたそうな娘を家治に差し出す。 しかし、お妙ほどの覚えはめでたくなく、寝所を共にしても、お妙の時のように朝まで解放しないようなこと…

大奥恋絵巻ー28

狂おしいまでの激情と欲情に狂った家治に、お妙が解放されたのは、やはり、夜明け前だった。 その家治の様子に、お妙が家治の不興を買ったのではないかという噂はたちまちに消え、変わらず寵愛を一身に受けているという話が大奥中を駆け巡る。 「お菊…悔しい…

大奥恋絵巻ー27

「できるなら…そなたが心をくれるまで…そなたを抱いて抱き尽くしたい…だが…そうしたら…そなたの心は離れていく…」 自分の呟きを静かに聞くお妙に、家治は、できるなら、お妙が心をくれると言うまで抱いて抱き尽くしたいけれど、そうしたらお妙の心は離れてい…

大奥恋絵巻ー26

「私は…あの夜から…上様のお心が見えなくて…不安でした…」 家治の問いに、お妙は、自分の心が欲しいと言いながら、自分を狂おしいまでに求める家治の心が見えなくて不安だったと答える。 「上様…なぜそこまで…私の心が欲しいのですか…?」 お妙は、自分の返…

大奥恋絵巻ー25

お妙が家治の不興を買ったかもしれないという憶測が経ってから十日くらいした頃、久々にお鈴廊下の鈴が鳴った。 お鈴廊下の鈴が鳴るという事は、将軍のお渡りがあるという事である。 久々に鳴ったお鈴廊下の鈴に、今日は誰が所望されるか、大奥は色めき立つ…