2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

下弦の月ー19

「それではまた。デートしましょう」 れいかを自宅としているマンションの前まで送って来たひろきは、またデートをしようと告げると、れいかの頬に口付けて帰っていった。 「(何なの…?紳士なのか…野獣なのか…わからない…あの態度は…)」 映画館という暗闇…

下弦の月ー18

ひろきの乙女の丘への愛撫は細やかさを増し、れいかは、立っているのがやっとというくらいにまで追い込まれていた。 エレベーターの中といういつ扉が開いて、誰が乗り込んでくるかわからない状況の中で、れいかは、声を殺しながら、迫りくる快感に耐え続ける…

下弦の月ー17

「ここの具合は…どうなのかな…?」 「えっ…?あっ…」 エレベーターに乗り込んだ途端に、れいかのスカートを捲し上げ、れいかの乙女の丘を直に触れてきたひろきに、れいかは、驚いたが、心のどこかで待ち望んでいた行為に、自分が甘く息を吐き始めているのを…

下弦の月ー16

「それじゃ、僕たちはこれで失礼するよ」 「あぁ、またな」 もうそろそろお暇すると切り出したひろきに、ひかるは、またなと声を掛ける。 「お邪魔しました…」 「気を付けて…」 お邪魔しましたと頭を下げたれいかに、瞳は、帰りに気を付けてと優しく微笑みか…

下弦の月ー15

「そうだったのですか…」 事態を把握できた瞳は、れいかに向かい、そうだったのかと呟く。 「あの…疲れませんか…?一日近く相手をしていて…」 瞳のまだ乱れているとわかる黒髪を見ながら、れいかは、一日近く男性と睦み合って疲れたりしないのかと、瞳に問い…

下弦の月ー14

それからしばらくして、寝室だと思われる部屋から黒髪の綺麗な女性が出てきた。 「こんばんは。瞳さん」 「こんばんは…成瀬さん…」 奥の寝室から出てきた瞳に、ひろきは、こんばんはと声を掛け、声を掛けられた瞳は、ひろきにこんばんはと返す。 「お客様な…

下弦の月ー13

「瞳さんは?」 「さっき眠ったところだ。昨夜からずっと俺の相手をしていたからな」 瞳という女性はどうしているのかとひろきに訊ねられたひかるは、瞳なら昨夜から自分の相手をしていたから、寝室で眠り始めたところだと答える。 「さっきって…昨夜からっ…

下弦の月ー12

「やぁ…来てたのか…?」 奥の部屋から出てきた男は、ひろきやれいかが勝手に部屋の中に入って、リビングのソファーに座っている事も訝しがることもなく、ひろきに声を掛ける。 「あぁ…相変わらず仲がいいなって思っていたところだ」 「お前も相変わらずいい…

下弦の月ー11

「ここです…」 ひろきは、れいかにとあるマンションを指さし、れいかの腰を抱きながら、マンションの中へと入っていく。 「ここは…?」 「友人が住んでいるマンションです…」 ここはどこかと訊ねるれいかに、ひろきは、さっき言っていた面白い友人が住んでい…

下弦の月ー10

「やめてください…人が見てます…」 「じゃあ…人が見てなければいいのかい…?」 道の上という不特定多数の人間が行き交う中でキスに及ぼうというひろきを、人が見ているのからと制するれいかに、ひろきは、人が見ていなければいいのかと問いかける。 「嫌がる…

下弦の月ー9

「僕が何をしましたか…?言ってみてください…」 「そんな事言えません…」 自分が何をしたのか言ってみろというひろきに、れいかは、そんな事言えるわけがないじゃないかと俯く。 「何も知らない乙女ぶっても無駄ですよ…この間のパーティーで鎌田のご令息を袖…