大奥恋絵巻ー11

 その夜…家治は、瑤子が目論んだ通りに、お妙を所望する。


「お妙…どうして…昨日より震えている…?」


 お妙を抱き寄せた家治は、お妙の震えぶりに、どうして昨夜よりも震えているのかと問いかける。


「上様…私…お暇を…」


 家治に抱き寄せられたお妙は、もう大奥を簡単に出られぬ恐ろしさに、身を震わせながら、僅かな可能性を掛けて家治に暇乞いをする。


「それはできぬ…わしは…そなたを気に入った…そなたを…ここに留め置きたい…大奥の決まりに関係なく…」


 お妙の暇乞いに、家治は、大奥の決まりがどうであれ、自分はお妙を気に入ってしまったのだから、大奥に留まって欲しいと思っていると答える。


「私は…私は…」


「泣くな…わしは…一目見て…そなたを気に入ってしまったのだ…」


 自分は将軍の側室になるために大奥に上がったのではないと涙するお妙に、家治は、お妙の涙を拭いながら、自分はお妙を一目見て気に入ってしまったのだと呟く。


「お妙…そなたはもう…わしのものだ…」


 家治を受け入れるしかないという現実を受け入れられないお妙に、家治は、お妙を押し倒すように横たわらせると、お妙にもう自分を受け入れるしか選択肢がないことを告げ、お妙の身体を愛撫し始める。


「やっ…」


「いくら拒もうと…身体は…わしを受け入れておる…もう…ここは二本も銜え込んでおるではないか…」


 家治によって開発された身体は、お妙の心と裏腹に、家治を受け入れる用意を始め、それを家治に指摘されたお妙は、家治が蜜穴に差し込んだ指を蠢かすのをじっと耐えるしかなかった。