雪月花ー23

「イッたみたいですね…嬉しいです…」


 小さな絶頂に達し、胸で息をするかなみに、わたるは、自分の拙い愛撫で達してくれて嬉しいと囁きかけ、かなみに深く口付ける。


「わたるさんが…欲しい…です…」


 小さな絶頂の余韻を身体に残しながら、かなみは、自分を見下ろすわたるの首に、自分の腕を絡めると、わたるが欲しいと呟く。


「かなみさん…わかりました…いまあげますね…かなみさんが欲しいもの…」


 かなみのおねだりといえる呟きに、わたるは、かなみの髪を撫でながら、わかったと答えると、自分の分身をかなみの蜜で溢れる秘丘に差し入れ、かなみを突き上げる。


「あっ…んっ…やっ…んっ…」


 一度達したかなみの身体は、わたるの緩い突き上げにも激しく反応し、かなみは、甘い嬌声を上げながら、身体を弓なりに仰け反らせる。


「かなみさん…」


 わたるは、かなみを抱き起すと、かなみの奥深くに分身を差し込み、かなみを揺さぶるように突き上げながら、突き上げられて揺れるかなみの形のいい乳房を両手でまさぐり続ける。


「あっ…んっ…やっ…んっ…はっ…あっ…んっ…」


 わたるに突き上げられながら、両の乳房を愛撫され、かなみは、押し寄せる悦楽の波と闘いながら、甘い嬌声を上げ、身体を仰け反らせ続ける。


 昼下がりの部屋に、かなみが上げる甘い嬌声と音を増す卑猥な水音が響き渡り、身体を仰け反らせ続けるかなみとかなみの乳房を愛撫しながらかなみを突き上げるわたるの影が揺れ続ける。


 許されざる恋がまだ許されたわけではないが、わたるとかなみの影は、互いを求め合うように揺れ続ける。


 
わたるさん…私を…もっと…汚して…

私を…もっと…壊して…

あなたのその愛で…私は…あなたに手折られるなら…

散っていく花でも構わない…

あなたに…手折られる時…私は…蜜を匂わせ…香りを放ち…あなたの腕の中で…咲き誇って…散っていく花になるの…

あなたの口付けを感じながら…私は…零れる花になり…あなたに手折られ…散っていくの…

花の命は短いけれど…あなたに手折られて…散られるなら…それでいい…


かなみさん…僕を…もっと…汚してください…

僕を…もっと…壊してください…

あなたのその愛で…あなたの愛で…壊されるなら…僕は…本望です…

僕の腕の中で…あなたは…咲き誇る花となり…このまま散らせるのは…もったいないくらいに…咲き誇る花となる…

だから僕は…あなたが放つ香りと…あなたが匂わせる蜜に…溺れていくのです…

あなたは…花の命は短いと言うけれど…あなたという花は…永遠に咲き誇る花です…

だから…手折らないように…そっと…触れ…そっと…口付けるのです…あなたという…一輪の花に…


   終わり