2015-03-07から1日間の記事一覧

大奥恋絵巻ー23

お妙の心が手に入らない…その苛立ちに、家治は、その夜、何度も何度も求めては、お妙に心をくれと囁き続け、表から迎えが来るまでお妙を解放しなかった。 その様子は、瑤子をはじめとする大奥の女たちの耳にも入り、お妙が家治の不興を買ったのではないかと…

大奥恋絵巻ー22

「お妙…わしに…そなたの心をくれ…」 いつもと違う家治の様子に怯えるように、家治を見るお妙に、家治は、お妙の心を自分にくれと哀願する。 「もう…例え…あの者がそなたを受け入れると言っても…わしは…そなたを手放さぬ…」 組み敷かれて怯えるお妙に、家治は…

大奥恋絵巻ー21

その夜…家治は、蔵之介に告げた通りに、お妙を寝所に所望した。 「上様…?」 いつもとどこか違う家治の様子に、お妙は、家治にどうかしたのかと問いかける。 「佐久間蔵之介を知っておるな…?」 「えっ…?」 重い口を開くように、蔵之介の名を切り出してきた…

大奥恋絵巻ー20

「そうか…あの娘の許婚とは…そなたであったか…」 敵意も感じる眼差しで見つめられた家治は、さらに憎悪を引き出すかのように、お妙の許婚とは蔵之介だったのかと笑いかける。 「あの娘はよい…身のこなしもよければ…鳴き声は特によい…」 蔵之介の表情が憎悪に…

大奥恋絵巻ー19

大奥だけでなく、将軍が政を行う表でも変化があった。 「そなたが…佐久間家の新しい当主か…」 家治は、自分の目の前にいる家督を継いだばかりだという聡明な青年に、ありきたりな言葉を投げ掛ける。 「佐久間蔵之介と申します…上様に置かれましては…」 「堅…

大奥恋絵巻ー18

「お妙…昨夜も…上さんに…大層可愛がられたそうだね…」 お妙が家治に明け方近くまで解放してもらえなかった事を聞きつけた瑤子は、昨夜の疲れがまだ残っているお妙を自分の前に呼び出すと、我が事のように、お妙に声を掛ける。 「上様のご不興を買わずに済ん…

大奥恋絵巻ー17

「そなたは…いつも新鮮な反応をするから…飽きないのだ…」 抱く度ごとに新鮮な反応を示し、艶を増した声で啼くお妙に、家治は、いくら抱いても飽きがこないのだと囁き、自分が開発したお妙の性感帯を責め、甘い嬌声を上げるお妙の姿に、満足げな笑みを浮かべ…

大奥恋絵巻ー16

その夜も、家治の寝所に呼ばれたのは、お妙だった。 「お妙…今宵も…震えておるな…どうしてだ…?」 毎夜のように抱き寄せても、初めてのように震えるお妙に、家治は、どうしてそんなに震えるのかと訊ねる。 「私は…怖いのです…」 「何が…怖いというのだ…?」 …

大奥恋絵巻ー15

「お妙…よく来てくれました…」 「御台様…」 お妙が家治に気に入られて以来、お菊の方への牽制ができている事に満足しているような笑みを浮かべる瑤子に、お妙は恐れを感じながらも、礼に従って深く傅く。 「上さんは…そなたを…毎晩のように所望しては…明け方…

大奥恋絵巻ー14

「なんなのですか?あの態度」 お美津は、お菊の方のお妙を値踏みし、脅しを掛ける態度に憤慨する。 「お菊の方様を責めてはいけません…」 お菊の方の自分への態度に憤慨するお美津に、お妙は、お菊の方を責めてはいけないと声を掛ける。 「ですが…いま…上様…

大奥恋絵巻ー13

その後、毎夜のように家治はお妙を所望し、夜明け近くまでお妙を貪り続けた。 家治のお妙への執心ぶりに、大奥中がざわめきを隠せなかった。 お妙が家治の種を宿すのは時間の問題だと、大奥にひしめく女たちはみなそう思わずにはいられなかった。 ある日、お…