「離してください…」
「今日から逃がさないって…言ったじゃないですか…」
かなみを家の中へと運んできたわたるは、自分の腕の中で、事態が飲み込めず、ジタバタと暴れるかなみに、今日からは逃さないと言ったはずだと笑いかけ、かなみを組み伏せる。
「今から…社長が帰ってくるまで…僕に嘘をついたこと…後悔させてあげますよ…?」
「わたる…さん…?」
いまから自分に嘘をついたことを後悔させると笑いかけてきたわたるに、かなみは、いまから始まる事を予感しながら、わたるを見る。
「嫌です…離してください…」
「離しません…かなみさんが…嘘ついたこと…心から反省するまでは…」
「反省してますから…」
「どうして…すぐ嘘をつくのですか…?」
事態を完全に飲み込め、離してくれと呟くかなみを、わたるはさらに組み伏せながら、自分に嘘をついたことを心から反省するまでは離さないと答え、反省しているから離してくれと呟いたかなみに、どうしてすぐ嘘をつくのかと問いかける。
「いまから…かなみさんが…心から反省するまでは…泣こうが喚こうが…離しませんよ…?」
「嫌です…」
「言ったでしょ…?離さないって…この身体を縛ってでも…離しませんよ…?」
いまからかなみが反省するまでは、泣こうが喚こうが離さないと告げてきたわたるに、かなみは、嫌だと呟き、それを聞いたわたるは、かなみの身体を縛ってでも離しはしないと告げる。
「あまり…手荒な真似はしたくないのですが…かなみさんが逃げるなら…仕方ありませんね…」
「何を…するつもり…ですか…?」
あまり手荒な真似はしたくはないが、かなみが逃げるなら、仕方ないと呟いたわたるに、かなみは何をするつもりだとわたるを見上げる。
「あまり、その手は使いたくないので、かなみさん…大人しく僕に従ってください…」
「わたる…さん…?」
あまりその手段は取りたくないから大人しく自分に従ってほしいと呟くわたるを、かなみは、いまからどんな目にあわされるのかわからないままわたるを見る。
「かなみさん…いまから…僕に嘘をついたこと…後悔してくださいね…?」
かなみの抵抗を完全に封じたわたるは、かなみに、いまから自分に嘘をついたことを後悔してくれと笑いかけると、かなみの唇を強引に奪うような口付けを始める。
強引だが、蕩けそうになるような口付けに、完全に抵抗を封じられたかなみは、ただ、わたるのなすがままになるしかなかった。