「ここ、夜の繁華街だよ?」
「そうですね」
「本当に待ち合わせ?」
「待ち合わせです」
核心を衝くような雪田の問いに、行きずりの恋の相手を探していたとは口が裂けても言えない晴美は、必死にただの待ち合わせだという嘘を繰り返す。
「そういう先生こそこんなところで何してるんですか?」
「僕かい?僕はいわゆる夜の付き合いってやつだよ。面倒だけど、仕方なくてね」
気まずい雰囲気を変えようと、そういう雪田こそ夜の繁華街で何しているのかという雪田に問う晴美に、雪田はいわゆる夜の付き合いで来ているのだと晴美に笑いかける。
雪田と晴美の間にどこか気まずい雰囲気が流れていた。
この後、二人の間にどんな出来事が起きるのか…雪田と晴美はまだ気付いてはいなかった。