「すみません…」
「だから、責めているわけじゃないって」
ふとこぼれた晴美の謝罪の言葉に、雪田は責めているわけじゃない、ただ嘘をつかないで欲しいと優しく笑いかける。
主治医として…?それはちょっと違う…どうして…嘘をついて欲しくないと思ったのだろう…?雪田は自分の中にある感情をうまく整理できなかった。
しかし、自分は晴美の主治医…必要以上に晴美に踏み込んではいけない…そう思いながらも、雪田は晴美に対して今までとは違う感情を抱かずにはいられなかった。
「さっきのことなんだけどね…」
晴美に必要以上に踏み込んではいけないと思いながらも、雪田は晴美に先程自分がしてしまった行為をどう思っているのかと問いかけてみる。
自分は晴美の主治医…それなのに…額にとはいえ口付けてしまった…それを晴美がどう思っているのか…嫌悪感を抱いてはいないかという思いが雪田の胸に過る。