2015-01-28から1日間の記事一覧

禁区ー25

「君はこういうところよく来るのか?」 「しょっちゅうってわけじゃないけど…来ます…」 雪田にラブホテルをよく利用するのかと訊かれた晴美は、頻繁ではないが、たまに来ると答える。 嘘…本当は頻繁に利用している…セックス依存症を見抜かれているとわかって…

禁区ー24

「まぁ…雨がやむまでだから」 ラブホテルの一室に晴美を連れてきた雪田は、晴美をソファーに座らせると、雨がやむまでだからと笑い、部屋の小さな窓から外を眺める。 「天気予報では朝まで降るって言ってましたよ…」 雨がやむまでと言う雪田に、晴美は天気予…

禁区ー23

「あ、雨…」 「雨降って来たな…走れる?」 「はい…」 煌々と光るネオンと夜の闇に加え、小雨が降りだしてきたことに気付いた二人は、雨を避けるように走り始め、一軒の建物に逃げ込むように入り込む。 「先生…ここって…」 「そうだな…」 建物に逃げ込んだは…

禁区ー22

「立ち話もなんだから行こうか?」 「そうですね…夜も更けてきた事ですし…」 煌々と光るネオンと夜の闇が雪田をそして自分を狂わせ始めていると感じた晴美は、立ち話もなんだからと言う雪田についていく。 「そういえば、寒くないの?その恰好」 歩き出した…

禁区ー21

「話って…何ですか…?それよりも…戻らなくていいんですか…?」 雪田が自分を追いかけてきたことへの戸惑いを隠しながら、晴美は雪田に夜の付き合いに戻らなくていいのかと問いかける。 「いいんだ。帰るところだったし」 晴美の問いに、雪田はどうせ夜の付き…

禁区ー20

「今日の先生…おかしい…飲み過ぎてるんじゃないですか…?」 病院の診察室で見せる雰囲気と似ているようでどこか違う雪田の雰囲気に、晴美は雪田に今夜の雪田はどこかおかしいから飲み過ぎているのではと呟く。 「大丈夫。付き合い程度でしか飲んでないから。…

禁区ー19

「ハァ…ハァ…逃げ足速いね…」 『?!』 走り疲れて立ち止った瞬間に聞こえてきた声に、晴美は驚かずにはいられなかった。驚きながらも恐る恐る振り返るとそこには肩で息をしながら雪田が立っていた。 「先生…?」 雪田が自分を追いかけてきた…なぜ…?晴美は…

禁区ー18

「待って」 家に帰ると立ち上がった晴美を引き留めた雪田は、晴美を慈しむように晴美の額に口付ける。 『?!』 雪田から額に口付けられた晴美は驚いた。 驚きで頭が真っ白になっていくと同時に今まで感じたことがないようなドキドキ感を感じていた。 この人…

禁区ー17

「あんなことしていると、そのうちいらない病気もらっちゃうよ?」 「…」 晴美が見知らぬ異性と行きずりの関係という危ない遊びに没頭していたということを知った雪田は、ただ黙って隣に座り続ける晴美にこういう危ない遊びはよすようにと諭す。 雪田の優し…

禁区ー16

「ここに座りなさい」 「…」 険しい表情と厳しい口調を崩さないまま晴美を繁華街の一角にある公園に連れてきた雪田は、晴美にその公園のベンチに座るように促す。 険しい表情を浮かべたまま自分に公園のベンチに座るよう促す雪田に、晴美は説教なら聞きたく…

禁区ー15

「それじゃあ…先生」 「待ちなさい」 『え?』 セックス依存症を知られた気まずさから帰ろうとする晴美を、雪田は晴美の手を掴み引き留める。 雪田に手を掴まれ、引き留められた晴美はただ驚く。 「ちょっとこっちに来なさい」 「え?何ですか?」 「いいか…