禁区ー24

「まぁ…雨がやむまでだから」


 ラブホテルの一室に晴美を連れてきた雪田は、晴美をソファーに座らせると、雨がやむまでだからと笑い、部屋の小さな窓から外を眺める。


「天気予報では朝まで降るって言ってましたよ…」


 雨がやむまでと言う雪田に、晴美は天気予報では朝まで降り続けると言っていたと声を掛ける。


「じゃあ、君は雨の中あそこで立っているつもりだったのかい?」


 天気予報では朝まで降り続けることを知っていた晴美に、雪田はそれを知っていてあの場所にいたのかと問いかける。


「雨が降ったら帰るつもりでしたよ」


 雪田の核心を衝く問いに、晴美は雨が降ったら帰るつもりだったのだと答える。本当は帰りたくなかったとは口が裂けても言えない晴美だった。