禁区ー34

「ベッドに…移る…か…?」


 晴美同様、欲情を抑えきれなくなった雪田は、晴美にベッドで続きをしないかと晴美に囁きかける。


「じゃあ…行こう…」


 自分の提案に無言で頷いた晴美を確かめた雪田は、晴美を抱き上げると、そのまま晴美をベッドへと運んでいく。


その時の晴美はというと、雪田の行動に驚きを隠せなかった。隠せなかったが、高まった欲情が雪田を狂わせていると感じ、雪田のなすがままになる。


今までの行きずりの恋とは違う何かを感じながら、自分に口付けた後、自分に覆いかぶさり、唇を躰の線に沿わせるように這わしていく雪田を晴美はシーツを握りしめながら、ただ受け入れる。


痕は残さない…職場の上司や行きずりの恋の相手との交わりの中で覚えた癖が晴美にそうさせていた。


咲き乱れる花というわけではないが、雪田の愛撫によって高められていく自分を晴美は感じていた。