2015-01-26 禁区ー2 無題 #小説 晴美がセックス依存症に陥った理由は、中学時代にコロコロと変わる母親の愛人の一人に性的虐待を受けていたせいだ。 勇気を持って母親に打ち明けたが、現実を受け入れられない母親から返ってきたのは、汚らしいばかりの罵倒だった。 それから母親とも距離を置いた晴美は、愛情を求め夜の街を徘徊するようになった。 愛されたい…ただそれだけだったが、晴美に近づいてくる男たちはみんなといっていいほど晴美の身体目的でしかなく、その度に晴美は言い知れぬ空虚感に襲われていた。 DV癖のある男に言われるままに援助交際に身を投じたこともあった。それで危険な目にあったこともあった。そんなことが募り募って、晴美はセックス依存症に陥ったのである。 「槙田さん。こちらへどうぞ」 セックス依存症に陥った経緯を思い返していると、案内係の晴美を呼ぶ声がした。その声に晴美は答えると、案内係についていく