出逢いは真昼の診察室だった。診察室といっても病院の診察室ではない。とある街にあるとある保健所の診察室にも似た部屋だ。
「どうせ気休め程度の事しか言われないのだろうな…。」
こころの相談の順番を待っていた晴美は、どうせ精神科医と思われる医師がやっつけ仕事ですることだろうから気休め程度の事しか言われないのだろうなとあまり期待せずにいた。晴美には人に言えない悩みがあった。
それは、セックス依存症…毎夜の如くセックスや自慰行為をしていないと落ち着かないのだ。
『なんだかなぁ…』
セックス依存症だなんて人に言えない悩みに、やっぱりこの場に来るべきじゃなかったかなと思い始めた晴美は、こころの相談に来たことを後悔し始めていた。