「今日の先生…おかしい…飲み過ぎてるんじゃないですか…?」
病院の診察室で見せる雰囲気と似ているようでどこか違う雪田の雰囲気に、晴美は雪田に今夜の雪田はどこかおかしいから飲み過ぎているのではと呟く。
「大丈夫。付き合い程度でしか飲んでないから。第一、飲み過ぎていたら走れないじゃないか」
今夜の雪田はどこか変だと呟く晴美に、雪田は付き合い程度でしか飲んでいないし、もし飲み過ぎていたら全速力で走って行った晴美を走って追いかけられなかったと返す。
本当は雪田自身もなぜ晴美を追いかけたのかわからなかった。
わからなかったが、晴美に嫌悪感を抱かれたのではないかという気持ちだけが頭に浮かび、後を追わなければという気持ちだけで晴美の後を追いかけていた。自分は晴美の主治医…ただそれだけのはずなのに…気がつけば晴美の後を追っていた。