「やぁ…来てたのか…?」
奥の部屋から出てきた男は、ひろきやれいかが勝手に部屋の中に入って、リビングのソファーに座っている事も訝しがることもなく、ひろきに声を掛ける。
「あぁ…相変わらず仲がいいなって思っていたところだ」
「お前も相変わらずいい趣味を持ってるよ」
相変わらず仲がいいとひろきに声を掛けられた男は、ひろきも相変わらずいい趣味を持っているとひろきに切り返す。
「そちらの御嬢さんは?」
「紹介するよ。九条れいかさん。れいかさん、こちらは僕の友人の葛城ひかるというやつです」
「九条…れいかです…」
れいかに目を留め、ひろきに誰かと訊ねた男、葛城ひかるに、ひろきは、れいかを紹介し、れいかにもひかるを紹介し、ひかるを紹介されたれいかは、ひかるに自己紹介する。
「中々の美人じゃないか…ちょっと気が強そうだけど…」
れいかを上から下まで見た後、ひかるは、ひろきに、れいかは気が強そうだが、中々の美人だと声を掛ける。
「そうだろ?あまりに気が強いんで、たくさんの男性が泣かされているらしい」
れいかは気が強いのだろうとひかるに声を掛けられたひろきは、全くその通りで、この気の強さにたくさんの男性が泣かされているらしいと笑う。
「ちょっと…失礼だわ…」
「間違ってはいないだろ?」
初対面のひかるに気が強そうだと言われ、それに同調することをひろきに言われたれいかは、失礼だと憤慨し、それを見たひろきは、でも、間違ってはいないだろうと、れいかに笑いかける。