源太もまた碧と同じように、心が高まる交合がある事を知り、かつてない高揚感を覚えていた。
碧を包んでいた絶望という名の白い闇は消え、代わりに眩しくて見えない闇が碧と源太を包み、碧と源太は、その眩しくて見えない闇の中へと堕ちていく。
絶望という名の白い闇と似ていながらも心地よい闇の中へと、碧と源太は堕ちていく。
「碧さん…大丈夫ですか…?」
眩しくて見えない闇から帰還した源太は、まだ眩しくて見えない闇の中にいる碧に声を掛ける。
「えぇ…大丈夫よ…」
源太に気遣われた碧は、ふっと笑った後、大丈夫だと答える。
あの闇は一体何だっただろう…?碧の脳裏に絶望という名の白い闇に似た心地よくて眩しくて見えない闇が蘇る。
「闇を…見たわ…とても眩しくて見えない闇を…でも…とても心地いいの…」
源太に擦り寄りながら、碧は、源太との交合の中で見た眩しくて見えない闇を見たけれど、その闇がやけに心地よかったと呟く。
「僕も…同じ闇を見た…眩しくて見えないけれど…心地いい闇を…」
碧の呟きを受けて、源太は自分もまた碧との交合の中で同じ闇を見たと返す。
「もう一度…その闇の中に堕ちていきたい…心地のいい闇なら…何度でも…」
源太もまた同じ闇を見たという言葉を受けた碧は、心地のいい闇の中なら、何度でも堕ちていきたいと源太に呟く。
「いいよ…僕も…一緒に…堕ちていこう…その心地いい闇の中へと…」
碧の呟きを受けた源太は、碧がその闇の中に堕ちていきたいのなら、自分も一緒に闇の中へと堕ちていこうと返す。
絶望という名の白い闇に似た眩しくて見えない闇は、碧と源太を何度も包み込み続ける。