下弦の月ー7

「息を荒くしてますけど…どうかしましたか…?」


 じんわりと与えられる刺激に、俯き、耐えるれいかに、ひろきは、息が荒くなっているけれど、どうかしたのかと声を掛ける。


その間も、ひろきは、れいかの乙女の丘へ刺激を忘れずに与えていた。


「だって…ひろきさんが…」


「僕がどうかしましたか…?」


 小さく抗議するれいかに、ひろきは、自分がどうかしたのかと、とぼけるように問いかける。


「私たち…まだ…」


「キスして…欲しいのですか…?」


 自分たちはこれが初めてのデートで、キスさえも済ましていないと言いかけたれいかに、ひろきは、キスして欲しいのかと問いかける。


「そんな事…」


「顔がそう言ってますよ…」


 そんな事ないと言いかけたれいかの言葉を遮るように、ひろきは、れいかの顔はキスして欲しそうにしていると囁いた後、れいかの唇に自分の唇を重ねる。


 その口付けは、深くそして蕩けるような口付けで、れいかは、ささやかな抵抗が封じられていくのを感じていた。


きっと…今夜は…この人に…そんな予感がれいかの中でしていた。


「映画が終わりました…行きましょう…」


 口付けを交わしている間に映画が終わり、ひろきは、れいかに、次の場所へ移動しようと声を掛ける。


れいかは、いよいよだという思いを胸に、ひろきに手を取られながら映画館を後にする。