下弦の月ー3

「今度の日曜…僕とデートしましょう…」


「してくださいではなくて…しましょうなのね…?」


 今度の日曜日にデートしようというひろきに、れいかはしてくださいではなく、しようなのかと問いかける。


「そうです…あなたはきっと了承する…」


 れいかの問いかけに、ひろきは、そうだと答え、れいかはきっと了承すると笑う。


「つくづく面白い方…いいわ…デートしてあげる」


 ひろきの言葉に、益々惹かれたれいかは、ひろきのデートの誘いを了承する。


「随分…上から目線ですね…?でも…僕とのデートには満足すると思いますよ…?」


「私を満足させるのは…簡単ではなくてよ…?」


 自分のデートの誘いを上から目線で了承するれいかに、ひろきは、上から目線だと笑った後、自分とのデートにはきっと満足すると思うと再びれいかの手に口付け、それを見たれいかは、自分を満足させるデートなんてできるはずがないと呟く。


「今度の日曜…楽しみにしておいてあげるわ…」


「楽しみにしておいてください…では…僕はこれで…」


 今度の日曜のデートを楽しみにしておいてやると呟いたれいかに、ひろきは、楽しみにしていて欲しいと答えた後、今日はこれで失礼すると呟き、れいかの頬に口付け、帰っていった。


「何なの…?あの人…えらく自信満々だったけど…」


 ひろきが去った後、れいかは、ひろきの自信満々な態度に、なぜあそこまで自信が持てるのかわからなかった。


 わかるのは、今度の日曜日にひろきとデートする事だけ。それも、自分を満足させると言い残して去っていった。


 れいかは、ひろきの自信満々な態度に、益々惹かれていった。