それから何度も何度も蒼に貪られたまりは、蒼の甘く惑わすような声を聞きながら意識を手放した。
「今日も…いい子だ…まり…」
それからしばらくして…
「おはようございます…まり様…」
「おはよう…ございます…」
枕元に聞こえてきた小梅の声に、飛び起きたまりは、小梅におはようを返す。
「いまどれくらいですか…?」
「そうですねぇ…お昼過ぎって…ところですかね…」
いま、何時かと訊ねたまりに、小梅は、お昼過ぎくらいだと答える。
「お昼過ぎ…そんなに…寝てたのですか…?」
「休まれたのが朝方でしたでしょうから…そんなに時間は経ってません…」
昼過ぎまで眠った事がなかったまりは、そんなに眠っていたのかと小梅に訊ね、訊ねられた小梅は、蒼に解放されたのが朝方だっただろうから、そんなに時間は経っていないと答える。
「どうして…私が蒼様に解放された時間まで知っているのですか…?」
聞き耳を立てられていたのではないかというくらいに、詳しい小梅に、まりは、恥ずかしさがこみ上げてくるのを堪えながら、どうしてそんなに詳しいのかと問いかける。
「それは秘密です」
まりの問いかけに、小梅は、聞き耳を立てていたわけではないが、どうして詳しいのかは秘密だと笑う。
「秘密ですが…蒼様のご機嫌を見ればすぐにわかります…」
なぜ、知っているかは秘密だが、蒼の機嫌を見ればわかるのだと笑いかける。