平安恋奇譚ー38

 子守唄が聞こえる…小梅の腕の中には可愛い赤子が抱かれていた。


「久しぶりだな…小梅…」


「いきなり現れないでください…」


 いきなり庭先に現れた柚木に、小梅はいきなり現れるなと呟く。


「ほぉ…ついに…生まれたのか…」


「えぇ…」


 小梅の腕の中に抱かれていた赤子を見た柚木は、ついに蒼とまりの間に子供ができたのかと呟き、小梅はそうだと答える。


「蒼は…?」


「まり様と次の子作りに励んでおられます…」


 蒼はどうしている訊ねる柚木に、小梅は、蒼ならまりと次の子作りに励んでいると答える。


「まり殿は大変だな…蒼の精力は半端じゃないからな…」


「まり様も負けていませんよ…」


 蒼の精力の強さは半端じゃないから、まりが大変だと呟く柚木に、小梅は、まりも、負けず劣らずなのだと答える。


「これで…ようやく終わったな…」


「いいえ…これからが…始まりなのです…」


 これでようやく終わったなと呟いた柚木に、小梅は、首を横に振り、これからが始まりなのだと答える。


屋敷の奥から蒼とまりが睦み合う声が漏れ聞こえてくる…その声に、小梅の腕に抱かれていた赤子が機嫌よく笑う。


 蒼の伴侶探しはこれで終わり、これからは、まりとの永遠の愛の生活が始まるのであった。


                        終わり