平安恋奇譚ー29

「まさか…ここでするのですか…?」


 路地裏の壁に背中を押し付けられたまりは、蒼に、まさか、ここで事に及ぼうというのではないかと問いかける。


「そうだ…ここで…いつものようによがるのだ…それがお仕置きだ…」


 まりの問いに、蒼は、まりの着物の前を肌蹴させながら、ここでいつものようによがるのがお仕置きだと告げる。


「どうした…?固くなっているじゃないか…興奮しているのか…?」


 まりの慎ましい膨らみをやわやわと揉み、膨らみの蕾を舌で転がしながら、蒼は、まりに、いつもより蕾が固いが興奮しているのかと、意地悪気に囁く。


「そんな…こと…あり…ません…」


 蒼の意地悪な囁きに、まりは、零れる甘い吐息に邪魔されながら、興奮なんてしていないと答える。


「嘘を吐け…もう…こんなに…濡らしているじゃないか…」


 興奮などしていないというまりに、蒼は、まりの秘丘の花弁を指で押し開きながら、もう秘丘は蜜が溢れていると囁きかける。


「私が欲しいと…言ってみろ…」


 まりに跪くようにしゃがみ、まりの秘丘を舌で愛撫しながら、蒼は、まりに、自分が欲しいと言ってみろと囁く。


「いやっ…です…」


「欲しくてたまらないくせに…」


 どんなに感じさせられていても、蒼が欲しいとは口が裂けても言えないと呟くまりに、蒼は、本当は自分が欲しくてたまらないのだろうと囁く。


蒼の囁きに、まりは、蒼を求めてしまいそうな自分と必死に戦う。


蒼に心を奪われた事を蒼に悟られたくなくて、必死に蒼を求めたい気持ちを堪え続ける。