「自己紹介がまだでしたね…成瀬ひろきといいます…」
れいかに名を訪ねられたその男は、自己紹介がまだだったと呟き、自分の名を告げる。
「成瀬ひろきって…成瀬ホールディングスの若き当主ではありませんか…」
「名前を知っていただけてて…光栄です…」
ひろきの名を知って、いま飛ぶ鳥を落とす勢いの成瀬ホールディングスの若き当主ではないかと呟いたれいかに、ひろきは、名前を知っていてもらって光栄だと笑う。
「組織を大きくするためなら、手段を択ばない方だと聞いてますわ…」
「ビジネスに私情は禁物ですから…」
成瀬ホールディングスの当主は、冷酷だと評判だと聞いているというれいかに、ひろきは、ビジネスに私情は禁物だと答える。
「面白い方ね…でも…私は…手に入れられなくてよ…?」
自分に一切のお世辞を言わないひろきに、れいかは興味を持つも、ひろきに、自分は簡単に手に入れられるほど甘くはないと笑う。
「もちろんです…でも…あなたは…僕の恋人になる…」
自分は簡単に落とせないと笑うれいかに、ひろきは、もちろんだと呟いた後、れいかは必ず自分の恋人になると笑う。
「あなたの恋人に…?私が…?」
年齢差があると思われるひろきに、れいかは、自分がひろきの恋人になるなんてありえないと答える。
「あなたはあの令息たちでは満足しない…デートコースも…ベッドの上でも…」
ひろきは、れいかの手を取りながら、れいかを満足させられるのは自分くらいなものだと呟き、れいかの手に口付ける。
その身のこなしに、れいかは、ひろきに惹かれていくのを感じていた。