それから…数日後…この日は、ひろきとのデートの約束をした日曜日である。
れいかは、デートの支度をしながら、ひろきが迎えに来るのを待っていた。
「(どんなデートを演出してくれるのかしら…?)」
自分を必ず満足させると言っていたひろきの言葉に、れいかは、自分を満足させるというデートとはどんなデートかとワクワクしていた。
「お待たせしました…行きましょう…」
れいかを迎えに来たひろきは、れいかに時間に少しだけ遅れた事を詫びた後、れいかの手を取り、れいかを車へと案内する。
「どこへ連れて行ってくださるの…?」
れいかは、ひろきに、自分は普通のデートでは満足しないと言いたげに、どこへ連れて行くのかと問いかける。
「まずは…映画でもいかがですか…?ありきたりかもしれませんが…」
れいかの問いに、ひろきは、まずはありきたりかもしれないが、映画でも見ようと提案する。
「どんな映画か…楽しみですわ…」
ひろきの提案に、れいかは、どんな映画を見せてくれるか楽しみにしていると答える。
「とりあえず行きましょう…満足する事間違いなしです…」
れいかの期待に満ちた言葉に、ひろきは、満足する事間違いなしだから、とりあえず行こうと笑いかける。
「成瀬さん…」
「ひろきでいいですよ…」
ただ黙っていたらいけないと思い、声を掛けたれいかに、ひろきは、自分を名字で呼ばず、ひろきと呼んでくれても構わないと笑いかける。