禁区ー38

「亮治…さん…あのね…私…」


 絶頂を迎え、息も途切れ途切れに身体を離した雪田に、晴美は自分が今まで愛のないセックスに溺れてしまっていたことを告げようと雪田を見る。


「何も言わなくていいよ…」


 晴美が何を告げようとしているのかを察した雪田は、晴美を抱き寄せると、何も言わなくていいと晴美の額に口付ける。


「ううん…言わせて…私…こんなに満ち足りた気分初めて…先生じゃなくて…亮治さんがどういう気持ちでこんな事をしたのかはわからないけど…こんなに幸せを感じるのは初めてなの…」


 何も言わなくてもいいと言う雪田に、晴美は雪田がどんな気持ちで自分を抱いたのかはわからないが、こんなに満ち足りた気分になったのは初めてだ、事が済んでも自分から身体を離すことなく、抱き締め続ける雪田にも感動しているとも呟く。