「あっ…んっ…アスラン…様…もう…だめっ…」
「いいぞ…達しても…私も…限界だ…」
絶頂に達し、自身を締め付けてくる凛子を感じたアスランは、凛子に達してもいいと囁くと、少しだけ律動を速め、凛子の中に熱を放出する。
時間にしては短いが、濃密な時間に、アスランと凛子は、乱れた呼吸もそのままに、深く口付け合い続ける。
「お腹は…大事ないか…?」
「男子だったとしても…そなたを確実に…サルタンの生母にはできぬかもしれぬ…」
「アスラン様…それは…世継ぎに選ばれなかった時の事を言っているのですか…?」
「こんな事…孕んだばかりのそなたに言うのは…酷いかもしれないが…私の次のサルタンになれなかった男子は…生涯幽閉される…」
「そんな…」
子供を身籠ったばかりの凛子にこの事実を告げるのは酷いかもしれないがと前置きをして、アスランは、凛子に、自分の後継者に選ばれなかった男子は、生涯幽閉されるのだと告げ、その事実に凛子は、自分の子の行く末に不安を覚える。
「姫君ならば…幽閉されない…リンコ…これが…この国を栄えさせてきた現実なのだ…」
この国の現実に震える凛子を、アスランは、ただ抱き締める事しかできなかった。