時間にすれば短いけれど、濃密で満ち足りた時間に、アスランと凛子は、荒い呼吸もそのままに、互いを抱き締め合い、深く口付け合う。
「リンコ…よかったか…?」
「はい…こんなに…満ち足りた気分になれるのは…アスラン様とだけです…」
「それでは…あの婚約者にも抱かれたことになるぞ…?」
「そんな事…してません…私が身も心も捧げたのは…アスラン様です…」
「リンコ…私の…愛しき人…」
「アスラン様…くすぐったいです…」
「よいではないか…無体を働いているわけではないのだから…」
額や頬に口付けられ、くすぐったいと身を捩じらせる凛子に、アスランは、無体を働いているわけではないのだからと笑い、凛子の額や頬に口付け続ける。
「リンコ…」
「アスラン様…」
しばし、じゃれ合い、見つめ合ったアスランと凛子は、どちらからともなく口付け合うと、触れ合い、口付け合い、朝が来るまで愛し合った。
それから…数か月後…ハレムに産声が上がる…凛子が男子を無事出産したのだ。
終わり