その夜…凛子が恐れていた通りに、アスランが現れた。
「リンコ…なぜ…私からの贈り物を拒否する…?」
自分が現れた事に怯える凛子に、アスランは、どうして自分からの贈り物を拒否するのかと問いかける。
「私は…あなたからのどんな言葉も贈り物も受け取りません…」
「じゃあ…何が望みだ…?私は…そなたに与えられるものは何でも与える…」
凛子の答えに、アスランは、何が望みなのかと問いかけ、自分の与えられるものは何でも与えると告げる。
「私を自由にしてください…」
「そなた…自分がわかっていなかったのだな…?」
凛子の嘆願に、アスランは、凛子はずっと自分の立場がわかっていなかったのだなと凛子を見つめる。
「どういう意味ですか…?」
「そなた…あの時…私がそなたを献上させなければ…今頃…そなたは…奴隷として売られていたのだぞ」
凛子の問いに、アスランは、自分があの時、凛子を自分に献上させなければ、今頃、凛子は奴隷として売られていたのだと告げる。
その言葉に、凛子は王宮に連れてこられる際に見た奴隷市場を思い出した。