女神の悪戯ー13

「雪菜…雪菜…」


 拙く腰を揺らす雪菜の動きに合わせるように、由紀夫は腰を突き上げながら、何度も雪菜の名を呼び続ける。


「ゆっ…きっ…おっ…さっ…んっ…」


 自分の拙い腰使いに合わせるように、腰を突き上げてくる由紀夫の名を呼びながら、雪菜は躰をのけ反らせ続ける。熱を帯びた互いの躰。熱い吐息。音を増す一部音。それらすべてが由紀夫と雪菜を狂わせ、高めていく。


「あぁっ…もっ…だめっ…」


「一緒に…いこう…」
 絶頂を知らせる雪菜に、由紀夫は共に達しようと囁くと、腰の律動を更に速める。


「あっ…あぁっ…んぅ…うっ…んっ…」


 由紀夫の律動が早まった瞬間、雪菜は躰を弓なりにのけ反らせた後、由紀夫の方に倒れこみ、倒れこんできた雪菜を抱き止めた由紀夫は、雪菜に口付け、乱れた呼吸のままに交わす口付けは、二人を深い眠りへと誘う。


「んっ…うっ…んっ…」


「気がついたかい?」


 気だるさを帯びた掠れた声で目を覚ました雪菜に、由紀夫は目が覚めたみたいだねと声を掛ける。


「私…どれくらい…眠っていましたか…?」


「さぁね…でも、そんなに時間は経ってないはずだよ…」


 どれくらい眠っていたのかと雪菜に訊ねられた由紀夫は、さぁねと呟いた後、そんなに時間は経っていないはずだと答える。なぜなら、由紀夫自身が起きたのがつい先ほどだったからである。


「由紀夫さんと…逢う度に…違う自分を発見してしまいます…」


 意識を失うほどの絶頂を味わった雪菜は、由紀夫に擦り寄りながら、由紀夫と逢う度に違う自分を発見してしまうと呟く。その言葉に、由紀夫は雪菜を抱き寄せると、雪菜の額に愛おしさを込めて口付ける。


「あの…指をこうして…絡めるだけで…胸が高鳴ってしまう…私って…変ですか…?」


 猫のように擦り寄りながら、由紀夫の手を取った雪菜は、その由紀夫の指に自分の指を絡み合わせ、指を絡め合わせただけで胸が高鳴ってしまう自分は変だろうかと由紀夫に問いかける。


「変じゃないよ…俺も…同じだから…」


 雪菜の問いかけに、由紀夫は変じゃないと答えた後、雪菜の指に自分の指をきつく絡み合わせ、雪菜に激しく口付ける。