砂漠の薔薇ー14

「私に貞操を奪われて…故郷に帰れると思っているのか…?」


 故郷に帰して欲しいという凛子に、アスランは、自分に貞操を奪われておきながら、故郷に帰れると思っているのかと問いかける。


「それは…」


 アスランの言葉に、凛子は言葉を詰まらせる。


確かに、貞操を失った未婚の女性の行き場など日本にはない。


どこに行ってもたぶんないだろうと凛子はわかっていた。


わかっていたが、力づくで自分の貞操を奪ったアスランに屈するわけにもいかなかった。


「答えはわかっているはずだ…そなたは…私のものなるほかに道はない…」


 何とかアスランに屈しまいとする凛子に、アスランは、凛子はもう自分のものになるしか選択肢がないことを告げる。


その時浮かべられたアスランの極上の笑顔が、凛子には悪魔の笑顔に見えた。


「そなた…そういえば…いくつだ…?」


「十八になりました…」


 アスランに年齢を訊かれた凛子は、アスランに怯えながらも、自分の年齢を答える。


「十八か…見た感じもっと幼いと思っていたが…ジパングの娘は童顔なのだな…」


 見た目は十八歳とは思えない凛子の容姿に、アスランは、ジパングの娘は年齢よりも幼く見えるのだなと笑いかける。


 アスランは、凛子をまだ十三歳かそこらだと思っていた。


それが十八歳だと知ってホッとしていた。


「もう夜だ…そなたの役割を果たしてもらおう…」


 凛子がそれなりの年齢だとわかったアスランは、凛子の腕を掴むと、凛子を押し倒す。