「私も…最初に知っておいてもらいたいのは…わたるさんが大好きでたまらないことです…」
「はい…覚えておきます…」
最初に知っておいてもらいたいのはわたるが大好きでたまらないことだと呟いたかなみに、わたるは、嬉しそうに頷き、ちゃんと覚えておくと呟く。
「あの…かなみさん…」
「何でしょう…?」
「キスしても…いいですか…?」
「はい…いいですよ…」
恥ずかしそうにかなみを呼んだわたるに、かなみは、笑いかけ、キスをしてもいいかと問いかけてきたわたるに、かなみは、いいですよと頷く。
「かなみさん…大好きです…」
「私もです…」
かなみが大好きだと呟いた後、唇を寄せてきたわたるに、かなみは、自分もわたるが大好きだと答え、わたるの唇に自分の唇を寄せる。情事の合図とは少し違うキスをわたるとかなみは交わし続ける。
「かなみさん…」
「はい…」
「これからは…毎日のように来ても…いいんですよね…?」
「それは…だめです…」
これからは毎日のようにかなみの家に来てもいいかと問いかけてきたわたるに、かなみは、少し考えた後、だめだと呟く。
「どうしてですか…?」
「私がわたるさんの家に行けなくなるからです…」
どうして毎日のようにかなみの家に来てはいけないのかと問いかけるわたるに、かなみは、わたるが毎日のように家に来たら、自分がわたるの家に行けなくなるからだと答える。
「かなみさん…」
毎日のようにかなみの家に来てはいけない理由が、かなみがわたるの部屋に行けなくなるからだと知ったわたるは、嬉しそうに笑い、かなみを抱き締める。
「互いに行き来しましょうね…?これから…かなみさん…」
「そうですね…」
これからは互いに家を行き来しようと呟いてきたわたるに、かなみはそうですねと頷く。試練と呼ぶには酷い地獄を乗り越えて絆を深くしたわたるとかなみは、この日、何度もキスを交わしたりしながら、想いを伝えあい続けた。
庭先にはすみれが忍ぶ冬を乗り越えた二人を見守るようにゆれていた。花言葉の通りに小さな幸せを運ぶように、すみれは揺れていた。