2015-01-04から1日間の記事一覧

純白の恋人ー52

「朝宮賢三氏の孫娘か…しかし…いままでが…」 「そうですわね…」 朝宮賢三の孫娘なら、御影家にふさわしいが、いままでがいままでだからと、春登と優里は交際を渋る。 「彼女は…磨けば光ります…以前…知らずに連れて行ったパーティーで…会場中の視線を集めまし…

純白の恋人ー51

翌日…紫苑は、父の春登と母の優里を昼食の場に呼び出した。 「紫苑さん…本当に…大丈夫ですか…?」 「大丈夫だよ…君は朝宮家の血を引く人間とわかったんだから…僕の両親も反対する理由はない…」 春登と優里が来るまでの間、本当に大丈夫なのかと訊ねるあやか…

純白の恋人ー50

「紫苑様…着きました…」 「ありがとう。今井。明日また迎えに来てくれ」 定宿のホテルに着いたと声を掛けてきた今井に、紫苑は、ありがとうと声を掛け、続けて、明日また迎えに来て欲しいと声を掛け、車を降りる。 「今井さん。気を付けてね」 「はい…では……

純白の恋人ー49

「お待たせしました…紫苑さん…」 朝宮と別れ、紫苑が待つ場所にやって来たあやかは、車の中で待っていた紫苑に声を掛ける。 「うん…おじいさまとお母様の対面は無事済んだかい?」 あやかに声かけられた紫苑は、朝宮と雪江との対面は無事済んだのかと、あや…

純白の恋人ー48

「雪絵に会わせてはくれないか…?」 雪絵の命日が今日である事を知った朝宮は、いまから雪江の遺骨がある寺に連れて行って欲しいと、あやかに頼む。 「行きましょう…あやかさん…」 朝宮の言葉を聞いた紫苑は、あやかに朝宮を雪江の遺骨がある寺に連れて行っ…

純白の恋人ー47

「母は…初め…白岡誠也という人と結婚していたんです…でも…一之瀬京介に…目を付けられて…泣く泣く…一之瀬の愛人に… 「それで?」 紫苑に促されるように、あやかは、朝宮に、母の雪江が一之瀬京介の愛人になった経緯を話し、紫苑は先を続けてくれとばかりに、…

純白の恋人ー46

「だから…私は…思うのです…紫苑様を幸せにできるのは…あなただけだと…」 車を運転しながら、今井は、自分個人の意見だが、紫苑を幸せにできるのはあやかだけだと思っていると呟く。 「今井さん…シンデレラストーリーは夢話です…私にはかぼちゃの馬車もガラス…

純白の恋人ー45

翌日…この日…紫苑は取引先との会食に出かけ、あやかは、秘書の雑務をこの日もこなしていた。そこへ、麗華がやって来た。 「社長は会食に出られております」 「いいの。今日は、あなたに用事があるの」 紫苑なら会食に出ていると告げたあやかに、麗華は、今日…

純白の恋人ー44

数日後…この日、紫苑は、自宅にて休日を過ごしていた。あやかに逢えないのは寂しいが、あまり自宅にいないのも悪いかと思い、自宅での休日を過ごしていた。 「紫苑様。やっと自宅に帰ってこられましたのね」 あやかに逢えない時間をどう過ごそうかと、紫苑が…

純白の恋人ー43

「あっ…んっ…やっ…んっ…はっ…んっ」 「いつもより…感じやすくなってますね…?ただ…撫でてるだけなのに…」 甘い声を漏らし続けるあやかに、紫苑は、ただ身体を撫でているだけなのに、こんなに感じて、いつもよりも感じやすくなっているねと囁きかける。 「紫…

純白の恋人ー42

「これ…なんだか…わかるかい…?」 浴室に合ったマットとローションを見た紫苑は、これは、何のために置いてあるのかとあやかに訊ねる。 「それは…その…あれです…」 「あれって?」 「私に言わせないでください…」 その用途に口ごもるあやかに、紫苑は、首を…

純白の恋人-41

その日の夕方… 「社長…今日は…自宅にお帰りください…」 「どうして?」 今日は自宅に帰るように告げるあやかに、紫苑はどうしてなのかと問いかける。 「私も…今日は…自宅に帰らないといけないので…」 紫苑の問いかけに、あやかは、今日は自分も自宅に帰らな…