碧が地獄のような時を過ごしていると知らない源太は、碧と同じ高校に通えた喜びに浸っていた。
だが、碧の陰のある姿や表情が気にもなっていた。
どこか、秘密を抱えているようにも見える碧の姿や表情が気にもなっていた。
「よぉ!転校生」
碧の陰がある姿や表情について源太が考えていると、同級生となった浜本が声を掛けてきた。
「須本だよ」
転校生と声を掛けてきた浜本に、源太は名字を名乗る。
「お前、運がいいな」
「何が?」
源太は運がいいと言う浜本に、源太は自分のどこが運がいいというのだと訊ねる。
「だってさ…あの根本碧と一緒に来たじゃん」
「それのどこが?」
転校早々碧と一緒に登校して来た源太は運がいいのだと答える浜本に、源太は、碧と一緒に登校してきた事のどこが運がいいのかと訊ねる。
「だって…根本碧は…根本先生としか登校しないんだぜ…それに…」
「それに?」
碧は雅彦と一緒にしか登校しないと答えた後、口ごもる浜本に、源太はなぜ口ごもるのかと訊ねる。
「根本碧は…昼休みになると…いつもいなくなるんだ…」
源太の問いかけに、浜本は、なぜだかわからないが、碧が昼休みになるといつもどこかへ消えてしまうのだと答える。