砂漠の薔薇ー28

「リンコ…ようやく…私からの贈り物を受け取ってくれたな…」


 夜になり、凛子のもとを訪れたアスランは、やっと自分からの贈り物を受け取ってくれて嬉しいと笑いかける。


「宦官が可哀想だったからです…」


 アスランの言葉に、凛子は、自分とアスランのもとを何度も行き来する宦官が可哀想になったから受け取っただけで、絹や宝石に釣られたわけではないと答える。


「わかっている…そなたは…誠実な言葉を紡がねば…心を開いてくれないと…」


 凛子の言葉に、アスランは、誠実な言葉を紡がねば、凛子の心には届かない事はわかっていると答える。


「何でも言ってくれ…そなたが望むものは…何でも与えよう…」


 目の前に置かれた自分が贈った絹や宝石を見ながら、アスランは、凛子に、凛子が望むものは何でも与えるから、何でも言ってくれと囁きかける。


「何もいりません…アスラン様の…誠実なお言葉だけで十分です…」


 アスランの言葉に、凛子は、アスランの誠実な言葉があれば何もいらないと答える。


「リンコ…私の可愛い奴…」


 凛子を抱き締めたアスランは、凛子が愛おしいと囁くと、凛子をベッドへと横たわらせる。


アスラン様…」


「もう…無体は働かぬ…約束する…」


 いまから始まる時に身体を震わせる凛子に、アスランは、もう二度と凛子に乱暴は働かないと約束すると囁く。


「だから…今宵も…そなたを抱いても構わないか…?」


 アスランの囁きを静かに聞く凛子に、アスランは、今夜も凛子を抱いても構わないかと問いかける。