「あっ…んっ…ふっ…んっ…はぁっ…」
静かな部屋にかなみの甘くそれでいて艶やかな声が漏れ聞こえる。
「わたるさん…だめっ…そんな…ところ…」
わたるの細やかさが増す愛撫に、かなみはそんな事はしないでくれと、口を開けば漏れる甘い吐息に邪魔されながら呟く。
なぜなら、いまわたるが愛撫している場所が場所だからだ。
「そんなところって…別に…汚くなんか…ないです…寧ろ…綺麗なくらいだ…」
かなみの呟きに、わたるは、そんな事ないと答え、その場所への愛撫を続ける。
わたるが愛撫している場所…それは…かなみの秘丘…わたるは、かなみの秘丘への愛撫の真っ最中なのだ。舌でかなみの蜜壺から溢れ出る蜜を掬い、舌で花弁を撫で、そして、陰核に口付ける。
「あっ…だめっ…わたっ…るっ…さっ…んっ…」
西田にもされた事のない行為に、かなみは、指を噛み、零れ出る甘い吐息を吐きながら、刺激に耐え続ける。
「かなみさんと…こうしている時は…かなみさんの…すべてが…欲しいんです…こうしている時だけは…」
かなみの秘丘への愛撫を続けながら、わたるは、かなみをこうして抱いている時は、かなみの全てが欲しくてたまらないのだと呟く。
わたるは、かなみが西田に抱かれた痕跡を全て消したかった。身体に残る赤い刻印はおろか、西田が触れ、繋がったこの場所さえも自分の痕跡で埋めてしまいたかった。
「もう…いいですから…」
放っておけばいつまでも続けそうなわたるの様子に、かなみは、もういいから、秘丘への愛撫をやめて欲しいと呟く。
「かなみさん…」
「きてください…もう…限界…なんです…」
秘丘への愛撫をやめ、かなみを見下ろすわたるに、かなみは、わたるの首に自分の腕を絡め、わたるが欲しいと呟く。
かなみ自身、自分から求めるのは初めてだったが、わたると早く重なりたくてたまらなかった。
「かなみさん…わかりました…」
わたるが欲しいというかなみの呟きに、わたるは、頷くと、かなみの蜜であふれた秘丘に
自分の分身をあてがうと、一気にかなみの中へと突き進む。
その瞬間、かなみは身体を仰け反らせ、甘く艶やかな声を上げる。
軋むベッド、かなみの甘く艶やかな声、音を増す一部音、それらすべてがわたるとかなみを掻き立て、高みへと追いやっていく。
非常灯だけが付いた部屋で、重なり合った二つの影は、揺らめき合って、許されざる恋の高みへと昇っていく。