『雪田先生…っていうのか…』
再び保健所を訪れ、こころの相談を勧めてきた保健師に経緯を話し、あの髭面で恰幅のいい精神科医の勤務先と名前を教えてもらった晴美は、その髭面で恰幅のいい精神科医の雰囲気とは真逆の名前だなと思っていた。
『返答はどうなのかな…?断られないかな…?』
保健所を後にした晴美は、コンタクトを取ってみるという保健師の言葉に、断られたりしないかと心配する。
押しかけに近い希望なのだから、断られても仕方ないと思いながらも、断られないことだけを祈るしか晴美はできなかった。
『やったぁ!あの先生に診てもらえる』
後日、コンタクトを取ってくれた保健師から、希望するなら診察するが、予約制ではないので順番を待ってもらうことになるというあの精神科医の返答を聞いた晴美は胸を躍らせる。