『あの先生に会いたいな…』
自分を鼓舞する一方、ふと疲れを感じた晴美の脳裏に、保健所で出会ったあの精神科医の顔が過った。
この部屋も引っ越すし、仕事も変えるのだから主治医を変えるのも悪くないと考えていた。
しかし、どこの病院に勤務している何という名前の精神科医かわからない。
晴美はまたもや途方に暮れる。しかし、今度は診てもらいたいという思いが止められなかった。
『そうだ!あの保健師さんなら知っているかも?』
晴美とあの髭面で恰幅のいい精神科医の再会の日は徐々に近付きつつあった…その再会でもたらされる出来事に、晴美はまだ気付いてなかった。