下弦の月ー25



 先程まで自分たちが立っていたステージ上に横たわる瞳に、ひかるは声を掛け、瞳の身体を抱き起す。


「今日も…散々いたぶられたな…」


 凌辱の跡が残る瞳を抱き起しながら、ひかるは瞳に今日も散々いたぶられたみたいだなと声を掛ける。


「平気です…私には…あなたが…いるから…」


「いい子だ…よし…その身体を綺麗にしてやろう…」


 ひかるがいるからこれくらい平気だと笑う瞳に、ひかるは、口付けると、瞳の身体に唇を這わせ始める。


「ひかるさん…もっと…私を…壊して…」


 ひかるに突き上げられながら、瞳は、ひかるに自分をもっと壊して欲しいと嘆願するように叫び、ひかるの均整の取れた身体に抱き付く。


「何なの…ですか…?」


「あれが…あの二人のショーの醍醐味だよ…瞳さんは複数の相手にいたぶられることを悦ぶ性癖の持ち主で、その後、ああやって葛城に抱かれないと満足しないんだ」


 目の前に広がる光景に驚くれいかに、ひろきは、瞳の性癖を説明しながら、ひかると瞳の交わり合いを眺める。


「あなたは…こんなのを見て…平気なのですか…?」


「平気っていうより…見入ってしまうな…あの二人の愛の形に…」


 こんな光景を見て平気なのかと問いかけるれいかに、ひろきは、平気ではないが、ひかると瞳の愛の形に見入ってしまうのだと答える。


「愛の形…」


 まだ続くひかると瞳の交わり合いを見ながら、愛の形も色々あるのだとれいかは思い始めていた。


「でも…犯罪にならないの…?」


「ならないさ…瞳さんの相手をするのは金も権力も持っている連中だからね…」


 いくら同意とはいえ、こんな事が明るみになったら大変なのではというれいかに、ひろきは、瞳の相手は金も権力も持っている連中ばかりだから、明るみになる事はないのだと答える。


「そんなの…おかしい…」


「おかしくなんかないさ…ほらっ…瞳さんを見てごらん…ショーの時よりも断然美しい」


 そんな事がまかり通るなんておかしいと呟くれいかに、ひろきは、瞳を見れば、それがおかしいかどうかわかると笑いかける。


 その言葉に、れいかが瞳を見ると、瞳はひかるに抱かれながら、この上なく淫靡で美しい表情を浮かべていて、れいかはその姿に引き込まれていくのを感じていた。