下弦の月ー22

 ひろきとれいかは、とあるビルの地下にいた。


れいかは、ただの貸しホールにしか見えない、ここのどこがひかると瞳の仕事場なのだろうと考えていた。


「もうすぐあの二人が出てきますよ…」


 会場が異様な熱気に包まれ始めた時、ひろきは、れいかに、もうすぐひかると瞳が出てくることを伝える。


 ひろきがそれを告げた瞬間、会場の証明が落され、会場の異様な熱気が盛り上がっていくのが、れいかにもわかった。


 最初にひかるが出てきて、何やら挨拶というか説明を始め、続いて、瞳が出てきて、ひかるに身体を縄で拘束され始めた。


「ひろきさん…これって…」


「そうです…あの二人はそういう関係でもあるのです…」


 いまから繰り広げられる光景に、もしかしてと呟いたれいかに、ひろきは、ひかると瞳はそういう関係でもあるのだと呟き返す。


「見ててください…あの二人のショーは、滅多に拝めないものなのですから…」


 こんな世界を知るのは初めてだという表情を浮かべるれいかに、ひろきは、あの二人のショーは中々見る事ができないのだから、しっかり見ておいた方がいいと、れいかの耳元に囁きかける。


ひかると瞳のショーは進むにつれ、際どいものとなり、瞳が辱められれば辱められるほど、会場の熱気は盛り上がっていく。


「(こんな光景…初めてだわ…それに…瞳さんが…なんか…綺麗な気がする…)」


 繰り広げられる淫靡な光景に、れいかは、淫靡な表情を浮かべる瞳から目を離せなくなっていた。


 すごく淫らなはずなのに、どこか美しいと思ってしまう…マンションで会った時の瞳は、どこか儚げで、こんな世界とは無縁だと思わせる雰囲気だったと、れいかは思っていた。