砂漠の薔薇ー35

「リンコ…私が間違っていた…もう…そなたを…手放したりなどしない…」


 凛子からの口付けに、アスランは、一度でも凛子を手放そうとした自分が間違っていた、もう二度と凛子を手放したりはしないと、凛子に囁き、凛子に深く口付ける。


アスラン様…私の身も心も…あなた様のものです…」


 アスランからの熱い口付けを受けた凛子は、自分の身も心もすべてアスランのものなのだと呟く。


「リンコ…帰ろう…私の王宮へ…」


 凛子を抱き締め直したアスランは、凛子に王宮へ帰ろうと囁き、それに凛子が頷いたのを確かめると、凛子を自分の馬に乗せ、王宮への道をひた走る。


王宮は大騒ぎである…一度王宮を出たはずの凛子が、サルタンであるアスランに連れられて戻って来たのだから、大騒ぎする事は確かである。


「リンコは…正式にこのアスランの女人となった…サルタンの女人としての敬意を示すよう…」


 ざわつく周囲に、アスランは、凛子が正式に自分の女人のなった事を宣言し、凛子に対してサルタンの女人としての敬意を払うよう告げる。


「リンコ…今宵は…初夜のやり直しだ…よいな…?」


「はい…アスラン様…」


 今夜、初夜のやり直しを凛子に告げるアスランに、凛子は頬を赤らめながら、アスランに頷く。


 東洋の娘がサルタンの寵妃になった現実に、王宮は上へ下への大騒ぎになり、初夜を迎えるのに必要な物を揃えるのに大慌てになった。


「リンコ…夜が来るまでのお別れだ…」


 ハレムへと向かう凛子に、アスランは、夜が来るまでのお別れだと呟き、夜が来たら、狂おしいまでの凛子を求めるだろうと笑いかける。