下弦の月ー40

「まだ…いじめられ足りないのかい…?」


「えぇ…私…貪欲なのよ…」


「それは知ってる…」


 あれだけ甚振られたのに、まだ甚振られたいのかというひろきの問いに、れいかは、自分は貪欲なのだと笑い、それを見たひろきは、れいかが貪欲なのは初めて会った時から知っていると笑う。


「僕は…下弦の月の日は…特に…意地悪になるよ…」


 れいかを再び甚振りながら、ひろきは、れいかに、自分は下弦の月の日は特に意地悪になるのだと囁く。


「じゃあ…もっと意地悪になって…私を…狂わせて…」


 ひろきの囁きに、れいかは、もっと自分に意地悪をして狂わせてほしいとねだる。


「わがままなお嬢様だ…お望み通り…狂わせてあげるよ…」


 自分を狂わせて欲しいというれいかの言葉に、ひろきは、わがままなお嬢様だと笑うと、れいかの望み通りに狂わせてやると囁き、再び、れいかの身体を筆で甚振り続ける。


「あっ…んっ…やっ…んっ…はっ…んっ…やっ…んっ…」


「狂いたいんだろ…もっと…狂ってみせて…」


 筆で甚振られて、甘い声を漏らすれいかに、ひろきは、もっと狂ってみせて欲しいと囁くと、先程開発したれいかの性感帯を筆で責め続ける。


「あっ…んっ…はっ…んっ…やっ…んっ…」


「いい声だ…もっと…甚振りたくなる…」


 自分が知らなかった性感帯を責められ、身悶えるれいかに、ひろきは、もっと甚振りたくなるような啼き声だと囁く。


 下弦の月の月明かりが漏れこむ部屋の中で、ひろきとれいかの饗宴は、下弦の月が沈むまで続いた。


                 終わり