2014-12-24から1日間の記事一覧

月光花ー27

その日の夕方…かなみは、買って来た福寿草を見つめていた。西田から今夜は来られないという連絡があったら、すぐ庭先に飾れるように。 「ごめんください」 「はい…あ、あなたは…」 玄関から聞こえてきた声に、かなみが玄関先に行くと、そこには、ゆかりが立…

月光花ー26

数日後… 「わたる。おはよう」 数日ぶりに会社に出勤してきたわたるに、ゆかりは声を掛ける。 「おはよう」 「そっけないね」 「当たり前だろ。お前はただの同僚だ」 挨拶を軽く受け流され、そっけないと声を掛けるゆかりに、わたるは、ゆかりはただの同僚だ…

月光花ー25

「うっ…んっ…わたる…さん…?」 少しうめいて目を覚ましたかなみは、わたるの姿を探す。わたるは、隣で満足そうに眠っていた。 「わたるさん…」 わたるの手を取って、その手に頬を寄せてみたら、かなみの目から自然と涙がこぼれる。この手に自分以外の女性が…

月光花ー24

「じゃあ…許してあげます…かなみさん…いきますよ…」 わたるは、かなみに、許してあげると呟いた後、かなみの腰を引き寄せると、自分の分身を、かなみに秘部に差し込み、かなみを突き上げる。 「あっ…んっ…はっ…あっ…んっ」 わたるに、焦らしに焦らされていた…

月光花ー23

「あっ…んっ…やっ…んっ…はっ…んっ…」 かなみは、人差し指を噛み、首を横に振り、わたるが与えてくる刺激に耐える。しかし、どんなに指を噛んでも、甘い吐息が口から漏れてしまう。 「もう…許して…わたるさん…」 「だめです…まだ許してあげません…かなみさん…

月光花ー22

「離してください…」 「今日から逃がさないって…言ったじゃないですか…」 かなみを家の中へと運んできたわたるは、自分の腕の中で、事態が飲み込めず、ジタバタと暴れるかなみに、今日からは逃さないと言ったはずだと笑いかけ、かなみを組み伏せる。 「今か…

月光花ー21

翌日… かなみは、家の裏手の金木犀のそばに佇んでいた。前にわたるが月の闇に紛れて逢いに来てくれた事を思いだしながら。 「(わたるさん…私は…あなたを責められません…待たせてばかりだったから…)」 金木犀を見つめながら、かなみは、月の闇に紛れてしか…

少し休憩

昨日から、怒涛の勢いで創作小説・月光花をUPしていますが、どうですか? 面白いですか? なんか…あんまり面白くないですか? いまから、ちょっとだけえっちくなっていきます。 まぁ、下手くそが書くエッチシーンだから面白くないかもしれませんが、読んで…

月光花ー20

「他人の家の前で痴話げんかはやめてください」 「かなみさん…」 わたるがゆかりに詰め寄っていると、かなみが家から出てきて、痴話げんかはやめろと告げ、かなみを見たわたるは、ただその場に立ち尽くす。 「皆川さん…もう…ここにはおいでにならないでくだ…

月光花ー19

「(わたるさん…)」 ゆかりが帰った後、かなみは、その場に崩れ落ちる。わたるが自分以外の女性を抱いた。その事実に、胸に熱く焼かれた何かを押し付けられているような感覚に陥る。 耳から離れないゆかりのわたるが自分を抱いたという言葉…かなみは、耳を…

月光花ー18

「あ、あなたは…」 自分の家の門の前に佇んでいた人物を見てかなみは驚く。それは、ゆかりだった。 「確か…青山さん…でしたね…」 「はい…そうです…実は…お話が…」 かなみに名前を訊ねられたゆかりは、そうだと答えた後、大切な話があると、かなみに切り出す…

月光花ー17

「うっ…頭…痛い…」 翌朝、激しい頭痛共にわたるは、目を覚ます。隣にはなぜかゆかりがいる。しかも、裸のゆかりがいた。わたるに昨夜の記憶はない。 「(もしかして…俺…青山を…)」 裸で自分の隣に眠るゆかりを見ながら、わたるは、昨夜起きた事を整理する。…

月光花ー16

数日後…この日、わたるは、どうしても顔を出しておかなければならない飲み会の場にいた。 もしかしたら、今日、かなみが逢ってくれるのではないかと思うと、飲み会どころではないのだが、この飲み会の主役はわたると言っても過言ではない飲み会だった。 「わ…

月光花ー15

「かなみさん…僕は…優しくなんかありません…あなたしか見えないあまりに…他の人を傷つけている…そして…あなたも…」 わたるは優しすぎるというかなみの呟きに、わたるは、かなみを抱き締めながら、自分は、かなみしか見えないあまりに、他の人間を傷つけてい…

月光花ー14

「わたるさん…」 かなみは、わたるに抱き付くと、わたるに、自分から口付ける。 「かなみさん?」 かなみからいきなり口付けられたわたるは、驚いたように、かなみを見る。 「本当の事…言ってください…」 「本当の事って…何ですか…?」 本当の事を言ってほし…

月光花ー13

「かなみさん」 かなみの家の庭に梅の花を飾ってある事を確かめたわたるは、勢いよくかなみの家の玄関を開ける。 「どうぞ…あがってください…」 「はい…」 玄関の上り口までわたるを出迎えたかなみは、わたるに、家の中にあがるよう促し、促されたわたるは、…

月光花ー12

「あの…無理は承知で言ってるのは…わかるのですが…」 ゆかりは、かなみに、最優先しなければならないのは、西田であり、わたるではない事をわかっているけれど、雨の日も風の日も、かなみの家に通い、庭先に花がないか確かめているわたるを見ていられないの…

月光花ー11

数日後の昼下がり…この日は、日曜日で西田の来訪はない。西田の来訪がないという事は、かなみが庭先に花を咲かせる日である。 かなみは、壺に活けた梅の花を庭先に運んでいた。 「あの…こんにちは…」 「はい…あ、あなたは…」 庭先に梅の花を運んできたその時…