「須崎さんが君の目の前で自殺を図ったって…本当かい…?」
朱里が自殺を図った数日後…弓月は、朱里の主治医である雪田に呼び出されていた。
朱里が運ばれた先の救急病院から知らせを聞いた雪田は、その場に居合わせていたという弓月にどんな状態で運ばれたのかと訊ね、本当に弓月の目の前で自殺を図ったのかと訊ねる。
「本当です…すみません…私が居合わせながら…こんな事態になって…」
雪田に呼び出された弓月は、朱里が自分の目の前で自殺を図ったのは本当で、自分が居合わせながらこんな事態を招いてしまった事を雪田に詫びる。
「君のせいじゃない…彼女の病気がそうさせたんだ…」
朱里が自分の目の前で自殺を図るような事態を招いた事を詫びる弓月に、雪田は、弓月のせいではなくて、朱里の病気がそうさせたのだと声を掛ける。
「応急処置が適切だったから助かったって…言っていたし…君はどこで彼女と居合わせていたの…?」
「それは…」
応急手当が適切だったからこそ、朱里は助かったという救急医の言葉が気になった雪田は、どうしてそんなに適切な応急処置ができるところに居合わせていたのかと訊ね、朱里の部屋に居たと言えない弓月は、口ごもるしかなかった。
「まぁ…いいけど…須崎さんは…入院もできないね…君がいる病棟には…」
場所を口ごもる弓月に、雪田は一つため息を吐いた後、本来なら弓月が勤務している急性期病棟に入院させるのが適切なのだが、弓月を見たら刺激されると判断した雪田は、朱里を入院させる事ができないと呟く。
「須崎さんには…別の病棟に入院してもらう事にするよ…その方がいいのかもしれない…入院を承諾したらの話だけどね…」
朱里が入院を承諾したらの話だが、朱里は弓月のいない病棟に入院してもらう事になると弓月に告げる。