数日後…何をするわけでもなく部屋で過ごしていたれいかの携帯が鳴り、番号を確かめると、それは、登録したてのひろきの番号だった。
電話の内容は今夜デートに誘いたいから、予定を開けておいてほしいというものだった。
もちろん、れいかに断る理由などなく、予定を開けておくと返事する。
「今度は…どんな風に楽しませてくれるのかしら…?この間は…次に会う時はもっといい思いさせてあげると言っていたけれど…」
あの日、ひろきは、次に会う時はもっといい思いをさせると言っていた。
それが何なのかわからないが、きっと、刺激的な何かを用意してくれているに違いないとれいかは思っていた。
「私…ひろきさんに…何を期待しているのかしら…?」
れいかは、自分がひろきに何を期待しているのかわからなくなってきていた。
紳士のようなエスコート…?それとも…自分の中に目覚め始めた何かを満たしてくれる野獣のような愛撫…? 考えれば考えるほど、れいかはわからなくなっていった。
それからしばらくして、ひろきがれいかを迎えに来た。
仕事帰りだとわかるスーツ姿に、れいかの心はときめき始めていた。
「遅くなってすまないね…」
れいかを迎えに来たひろきは、れいかに迎えに来ると言っていた時間より遅れてしまった事をれいかに詫びる。
「いいえ…私も…準備が先程整いましたので…」
迎えに来るのが遅れてしまったと詫びるひろきに、れいかは、首を横に振り、支度が整ったところだからちょうどよかったと答える。
「それじゃ、行きましょうか?」
ひろきは、れいかをエスコートするように、れいかの腰を抱くと、行きましょうと呟き、れいかを待たせてある車へと案内する。